ジャパンフーズは24年3月期1Q増収増益と順調、通期大幅増益予想据え置き

(決算速報)
 ジャパンフーズ<2599>(東証スタンダード)は8月4日の取引時間中に24年3月期第1四半期連結業績を発表した。増収増益と順調だった。原材料費や人件費の増加などコストアップ要因があったものの、新製品の受注などにより受託製造数が増加し、生産性向上(コスト改善)なども寄与した。そして通期の大幅増益予想を据え置いた。受託製造数増加、さらなる生産性向上効果を見込み、売上拡大・単価向上に向けて新製品受注、新規顧客獲得、新たな販売領域拡大にも取り組む方針としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は小幅レンジモミ合う形だ。第1四半期業績に対してネガティブに反応する場面があったが、1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、目先的な売りが一巡してモミ合いから上放れの展開を期待したい。

■24年3月期1Q増収増益、通期大幅増益予想据え置き

 24年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比11.9%増の31億31百万円、営業利益が6.7%増の3億70百万円、経常利益が6.0%増の4億11百万円、親会社株主帰属四半期純利益が2.5%増の2億94百万円だった。

 一部製造ラインでのオーバーホール実施、原材料費や人件費の増加などコストアップ要因があったものの、新製品の積極受注や新たな販売領域の拡大などにより受託製造数が増加し、生産性向上(コスト改善)なども寄与した。

 親会社株主帰属四半期純利益+7百万円(内訳は単体/コアが+32百万円の2億65百万円、事業取込利益等が▲25百万円の29百万円)の要因分析は、受注増加等+56百万円、エネルギーコスト改善+5百万円、生産性向上等(コスト改善)+1億62百万円、製造経費増加▲1億41百万円、その他コスト増加▲50百万円、事業取込利益▲25百万円だったとしている。

 国内飲料受託製造事業は受託製造数が3.9%増の1149.9万ケース、売上高が12.0%増の30億96百万円、セグメント利益(経常利益)が14.4%増の3億79百万円だった。売上面は、消費者の買い控えにより飲料業界全体としての販売数量は減少したものの、新製品の積極受注や新たな販売領域の拡大などにより同社の受託製造数は順調に増加した。コスト面では一部製造ラインでのオーバーホール実施、原材料費や人件費の増加などコストアップ要因があったものの、有形固定資産の耐用年数変更に伴う減価償却費減少を含む生産性向上などコスト改善も寄与した。

 海外飲料受託製造事業(中国、連結対象期間23年1月~3月期)のセグメント利益は41.9%減の28百万円だった。年明けの新型コロナ感染症拡大の影響などで受注が低迷した。ただし春節以降の受注は回復基調となっている。その他事業(水宅配事業および水宅配フランチャイズ事業)は売上高が6.0%増の34百万円、セグメント利益が53.2%減の4百万円だった。新規加盟店の立ち上げ進捗遅れに加えて、22年10月にウォーターサーバーの価格改定を行った影響で販売が苦戦した。

 通期連結業績予想は据え置いて、売上高が23年3月期比12.1%増の113億円、営業利益が4.7倍の6億80百万円、経常利益が2.8倍の8億90百万円、親会社株主帰属当期純利益が2.8倍の7億円としている。配当予想は23年3月期と同額の27円(第2四半期末10円、期末17円)としている。

 大幅増収増益予想としている。原材料費、物流費、人件費などの増加を見込むが、市況回復、新製品受注、新たな販売領域拡大などで受託製造数の増加(9.7%増の4166.0万ケース)を見込み、さらに政府の価格抑制策によるエネルギーコスト改善、生産性向上、事業取込利益か回復なども寄与する見込みだ。

 親会社株主帰属当期純利益+4億54百万円(内訳は単体/コアが+3億57百万円の4億50百万円、事業取込利益等が+97百万円の2億50百万円)の要因分析は、受注増加等が+5億60百万円、エネルギーコスト改善が+2億20百万円、生産性向上等(コスト改善)が+3億90百万円、製造経費増加(原材料高等)が▲4億40百万円、その他コスト増加が▲3億70百万円、事業取込利益が+1億円の計画としている。事業取込利益は中国事業の新ライン増設・製造能力増強で利益規模が拡大する見込みだ。

 中期経営計画(23年3月期~25年3月期)の2年目となる24年3月期は、品質経営の根幹となる「ひとづくり」「顧客の品質評価の向上」「生産性の向上」を一段と強化するとともに、売上拡大・単価向上に向けて新製品受注、新規顧客獲得、新たな販売領域拡大にも取り組む方針としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は目先的な売り一巡

 株価は小幅レンジモミ合う形だ。第1四半期業績に対してネガティブに反応する場面があったが、1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、目先的な売りが一巡してモミ合いから上放れの展開を期待したい。8月4日の終値は1083円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS145円14銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の27円で算出)は約2.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1553円21銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約55億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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