建設技術研究所は23年12月期通期予想を上方修正して一転増益予想

(決算速報)
建設技術研究所<9621>(東証プライム)は8月14日の取引時間中に23年12月期第2四半期累計連結業績を発表した。受注が好調に推移し、特に国内事業の業務が想定以上に進捗して大幅増収増益だった。そして通期予想を上方修正し、従来の減益予想から一転して増益予想とした。国内事業において受注が好調に推移していることに加えて、業務単価上昇や業務効率化なども寄与する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は上方修正を好感して急伸し、上場来高値更新の展開となった。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■23年12月期2Q累計大幅増収増益、通期上方修正して増益予想

23年12月期第2四半期累計(1月~6月)の連結業績は、売上高が前年同期比13.8%増の476億23百万円、営業利益が31.2%増の71億66百万円、経常利益が30.1%増の72億87百万円、そして親会社株主帰属四半期純利益が39.3%増の52億89百万円だった。

国内事業、海外事業とも好調に推移して大幅増収増益だった。特に国内事業の業務が想定以上に進捗した。グループ合計受注高は11.6%増の589億23百万円だった。受注高。売上高。各利益とも第2四半期累計として過去最高だった。

国内建設コンサルティング事業は受注高が6.2%増の406億25百万円、売上高が13.7%増の341億13百万円、営業利益が37.0%増の68億円、海外建設コンサルティング事業は受注高が26.0%増の182億97百万円、売上高が14.2%増の135億10百万円、営業利益が23.3%減の3億77百万円だった。

四半期別に見ると、第1四半期は売上高が247億60百万円で営業利益が37億42百万円、第2四半期は売上高が228億63百万円で営業利益が34億24百万円だった。

通期の連結業績予想は8月14日付で上方修正した。修正後の予想は受注高が22年12月期比1.3%増の870億円、売上高が4.2%増の870億円、営業利益が6.0%増の85億円、経常利益が4.4%増の86億円、親会社株主帰属当期純利益が7.2%増の63億円としている。配当予想は据え置いて22年12月期と同額の100円(期末一括)としている。予想配当性向は22.1%となる。

前回予想に対して受注高を30億円、売上高を30億円、営業利益を13億円、経常利益を13億円、親会社株主帰属当期純利益を14億円それぞれ上方修正し、従来の減益予想から一転して増益予想とした。

修正後のセグメント別計画は、国内建設コンサルティング事業の受注高が3.1%増の600億円、売上高が6.6%増の620億円、営業利益が13.3%増の78億円、海外建設コンサルティング事業の受注高が2.5%減の270億円、売上高が1.3%減の250億円、営業利益が38.1%減の7億円としている。

なお修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が55%、営業利益が84%と高水準の形だが、公共投資関連で業務の進捗が年度末に集中するため、第1四半期の構成比が高い季節特性がある。国土強靭化関連で良好な事業環境も背景として、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上場来高値更新の展開

株価は上方修正を好感して急伸し、上場来高値更新の展開となった。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。8月15日の終値は4100円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS453円30銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の100円で算出)は約2.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3360円83銭で算出)は約1.2倍、時価総額は約581億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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