ポーラ・オルビスHDグループ、国際宇宙ステーション(ISS)で使用するためのスキンケア製剤2品を開発、長期滞在で使用予定

■油井亀美也宇宙飛行士が使うスキンケア製剤

 ポーラ・オルビスホールディングス<4927>(東証プライム)グループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業は28日、宇宙に着想し、国際宇宙ステーション(ISS)で使用するためのスキンケア製剤2品を開発したと発表。同製剤は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)のISS搭載可否審査を通過済みで、2024年頃、油井亀美也宇宙飛行士の国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在において使用される予定である。

■宇宙用コスメに求められる3つの要件
(ISSで使うスキンケア品のために、主に3つの要件を満たす必要があった)

1.「簡潔・凝縮」(スキンケアタイムの充実)・・・決められたスケジュールの中でも使用可能であること。
2.「節水」(貴重な水資源)・・・…排水をリサイクルするほど貴重な水の使用量を極力減らすこと。
3.「非流動」(中身の飛散防止)・・・…装置や備品などの故障を防ぐため、内容物が飛散しないこと。

 この他にも、ISSへの搭載にはさまざまな制約を満たすことが求められる。

■心地よい至福のスキンケアタイムで、宇宙ライフを美しく快適に

 要件1を満たすため、スキンケアのステップは「洗浄」と「保湿」の2つに集約した。要件2では、洗浄ステップにすすぎが要らないふき取り式ジェル剤を採用。また水を潤沢に使えないISSだからこそ、両品とも最重視した感触は“水”の気持ち良さ、すなわち「みずみずしさ」である。さらに要件3では、粘度を高めて半固形状の剤型にすることで飛散を防止。検討を重ねた結果、使用前は半固形でありながら、使うとみずみずしく変化する製剤を実現した。

 これにより、ISSに持ち込む要件を全て満たすスキンケア製剤2品が完成した。同製剤は、高度な任務を負う宇宙飛行士一人ひとりのスキンケアタイムを豊かな時間とし、より快適な宇宙ライフに繋げられるものと期待している。

■洗浄品と保湿品の2ステップに集約

 洗浄品:透明な半固形のジェル状で、コットンやティッシュペーパー上に出してなじませてから、肌に塗布し拭き取ります。塗布中はみずみずしさを感じることができ、使用後の肌はうるおいを残しつつ、メーク汚れ、汗および皮脂などの汚れを落とすことのできるアイテムである。

 保湿品:半固形の軟らかいクリーム状で、スキンケア機能はもちろん、テクスチャーの変化も楽しむことができるアイテムである。

 肌に塗るとすっと崩れ、ローションのようにみずみずしく軽やかに伸び、肌に必要なうるおいを与える。塗布後は、ミルクやクリームまで使用して丁寧にスキンケアしたようななめらかで柔らかい触り心地に肌を整える。

 同技術は、既存の枠にとらわれない革新的イノベーションを目指して宇宙に着眼したことで生まれ、水資源に乏しい場合にも適するなど地上においても役立つ利点を幅広く備えている。ポーラ化成工業では今後も、顧客ニーズに応える新技術を開発するとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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