ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズは生体内に極微量しか存在しない特殊なアミノ酸の新たな解析手法を開発

■医療から食品・化粧品分野に新たな価値を提供

 ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ<6090>(東証グロース)は26日、水溶性代謝物の中でも重要なアミノ酸※119種類に着目し、それぞれの鏡像異性体(キラル分子)※2を解析する新たな“キラル分析”手法の開発を行い、サービスの提供を開始したと発表。

 多くのアミノ酸には、鏡像異性体と呼ばれる分子構造的に鏡合わせの関係にある異性体(D-体およびL-体)が存在する。生体内に存在するアミノ酸はほとんどがL-体で構成されており、生体内に極微量しか存在しないD-体は長らく着目されていなかった。近年の研究の発展により、生体内でのD-体のアミノ酸には、L-体のアミノ酸とは異なる役割や機能性があることが明らかになってきている。例えば、認知症やがん、腎症などの疾患とD-体のアミノ酸量との関係性を示す研究報告や、L-体とD-体のアミノ酸の味覚の違いを示す研究報告等があり、今後、医療や食品産業などにおいて、D-体を解析する重要性や必要性が高まると考えられる。

 同社は、大阪公立大学との共同研究により、優れた鏡像異性体識別能をもつ誘導体化試薬※3(特許出願中)の開発に成功し、この試薬を用いることで、分析が難しいとされてきたアミノ酸の鏡像異性体(キラル分子)を従来法よりも精度よく解析する、新たな“キラル分析”手法を提供することが可能となった。同サービスは、生体内でのL-体やD-体の機能の違いを明らかにする基礎研究領域だけではなく、バイオマーカー探索などの医療分野、機能性の違いに着目した化粧品開発分野、さらに美味しさを評価する食品開発支援といった幅広い分野での分析に応用が期待される。

【注】

※1 アミノ酸=タンパク質の構成単位となる有機化合物。主にタンパク質を構成するアミノ酸は20種類で、からだの中で合成できない必須アミノ酸と合成できる非必須アミノ酸に分類される。また、タンパク質を構成しない遊離アミノ酸というのも数多く存在する。タンパク質の構成成分としてだけでなく、アミノ酸はそれ自体が体内の生合成に機能する。
※2 鏡像異性体(キラル分子)=分子構造的に右手と左手のように互いに鏡像であり、結合を組み換える以外にはそれ自体の鏡像に重ね合わせることができない1対の分子(異性体)を示す。アミノ酸の多くは、立体的結合様式の違いにより、D-体、L-体の鏡像異性体として区別される。
※3 誘導体化試薬=分析対象物質を分析するのに適した化合物に変換する目的で使用する試薬。揮発性や安定性、検出感度、分離性能などの付与・向上を目的としたものがよく知られている。
(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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