カーメイトは東京大学と共同で給電状況の可視化システムを開発、日本初となる電気自動車への走行中給電の公道実証実験を開始

 カーメイト<7297>(東証スタンダード)は、東京大学、柏市、その他関係機関と共に、電気自動車を走行中に給電する技術の開発に取り組んでおり、2023年10月から実施される日本初の公道実証実験(柏の葉スマートシティ内)にも参画している。同社は車載機器と送電コイルの制御装置間の通信技術に携わっており、走行中の給電状況などのデータをスマートフォンアプリで可視化するシステムを東京大学大学院新領域創成科学研究科の藤本・清水研究室(東大グループ)と共同で開発した。このシステムは、実験用の車両に搭載された車載機器と、データ処理を行うクラウドサーバー、及びスマートフォンアプリで構成されている。

<可視化システムの役割>

1:スマートフォンで電気自動車の給電状況を可視化

 車載機器が取得した情報(車両・送電コイルの位置、給電状況、走行軌跡)をスマートフォンアプリで可視化

2:無駄な電力消費を抑えるよう、送電コイルをON/OFF

 車両の位置情報をカーメイトクラウドを通じて道路側IoT機器に伝え、送電コイルのON/OFFを指示(車両が近づいた時だけ送電コイルをONにして通電可能な状態にする仕組みで、待機電力を極力抑えることができる)

■スマートフォンアプリの概要

 スマートフォンアプリでは、走行中に車両から取得した情報(車速、受電電力、消費電力、バッテリー残量、位置情報)を数値やグラフ、地図で可視化し、以下2つの方法で確認することができる。

1:リアルタイムで給電状況・コイルの位置を確認

 電気自動車のバッテリー残量・受電電力量などの給電状況や、埋め込まれた送電コイルと移動する車両の位置情報をリアルタイムで表示。給電状況はグラフで推移を確認することも可能

(送電コイルの周辺エリアは地図中で青く表示、車両が近づき送電コイルの電源がONになるとコイルの周辺エリアは黄色に変化)

2:給電状況や走行ログを履歴で確認

 保存された給電状況をグラフで表示。走行軌跡も記録されているため、運転状況と比較しながら給電の傾向を見ることができる。

■走行中給電の公道実証実験について

 柏市の柏の葉キャンパス駅を中心とした地域では、公・民・学連携により「柏の葉国際キャンパスタウン構想」に基づく先進的なまちづくりが進められており、スマートシティを目指した様々な取り組みが実施されている。その一環として柏市と東大グループ、同社を含む関係機関が共同で研究開発していた走行中給電システムが、国土交通省が公募する「道路に関する新たな取り組みの現地実証実験(社会実験)」として採択された。それにより、柏の葉キャンパス駅西口至近の市道にて日本で初めて公道での実証実験を行うこととなった。なお、同実証実験は公道で行うため、走行中給電システムを搭載した上で、ナンバー取得をした車両での実験を行っている。

■参画の経緯

 同社は2010年より自社でのスマートフォンアプリ開発を開始。燃費管理にはじまり、車速や位置情報を表示するなど車両の走行データと連携したドライブアプリを開発してきた。2012年には地球温暖化防止に貢献できる電気自動車の普及に向けた、SIM-Drive第2号車の開発に参画。電費をリアルタイムで確認できるアプリなどの技術提供をした事から、2019年よりこの度の開発に参画している。

■今後の展望

 2023年10月から2025年3月まで行われる予定の公道での実証実験に参画し、今後の走行中給電システムの発展および走行中給電社会実装の早期実現に寄与する。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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