【注目銘柄】オンワードは主力ブランド好調で今期業績を再上方修正、株価は下げ過ぎ修正買いが増勢

■秋冬物の販売期待で下げ過ぎ修正買いに

 オンワードホールディングス<8016>(東証プライム)は、10月5日に今2024年2月期業績の2回目の上方修正と2回目の増配を発表したが、同時公表の9月期月次売上高が、厳しい残暑の影響で伸び悩んだことが響いて下値を探る展開が続いていた。その残暑も一巡し気温も低下し秋冬物の販売に期待が持てるとして下げ過ぎ修正買いが増勢となっている。バリュー的にもPERは11.8倍、テクニカル的にも、25日移動平均線からなお7%もマイナスかい離していることが買い手掛かりとなっている。

■主力ブランドが好調に推移しECサイトの利用拡大でリアル店舗に融合効果

 同社の今2月期業績は、今年7月に上方修正されたが、その修正値をさらに再上方修正した。7月修正値より売り上げを4億1100万円、営業利益を10億2200万円、経常利益を10億1200万円、純利益を4億6200万円それぞれ引き上げたもので、売り上げ1892億1100万円(前期比7.5%増)、営業利益100億2200万円(同2.11倍)、経常利益100億1200万円(同88.2%増)、純利益54億6200万円(同78.4%増)と見込み、連続増益率を伸ばす。主力ブランドの「23区」、「ペットパラダイス」が好調で、新ブランドの「KASHIYAMA」や「UNFILO」も伸長し、グループECサイト「クリック&トライ」の利用者が拡大してリアル店舗とオンラインストアの融合効果が高まり、SNSを活用したマーケティング施策の精度が上がったことなどが要因となった。

 今期配当は、今年7月の今期業績の上方修正とともに期初予想の年間14円(前期実績12円)が16円に増配されたが、10月の2回目の上方修正時にはさらに17円に引き上げ再増配を予定している。なお9月度の月次売上高は、既存店が前年同月比2.6%増、全店が0.5%減と伸び悩んだが、厳しい残暑が長引き秋物商品の稼働が鈍かったことによるもので、足元で気温が低下しており、秋冬物の持ち直し期待につながっている。

■PER11倍、PBR0.8倍、配当利回り3.6%の修正に再発進し年初来高値目指す

 株価は、今年7月の1回目の業績上方修正、増配発表では、ストップ高を交えて年初来高値584円まで買い進まれたが、10月の再上方修正・再増配では、月次売上高の伸び悩みや全般相場の波乱も響いて下値反応となり465円安値まで売られた。PER11.8倍、PBR0.86倍、配当利回り3.55%と売られ過ぎで、テクニカル的にも25日線から約7%のマイナスかい離と下げ過ぎを示唆しており、底上げ再発進で年初来高値奪回を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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