ソフトクリエイトホールディングスは24年3月期2Q累計大幅増収増益、通期は再上振れの可能性

(決算速報)
ソフトクリエイトホールディングス<3371>(東証プライム)は11月1日の取引時間終了後に24年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。大幅増収増益だった。ECソリューション事業、ITソリューション事業とも順調に拡大し、コスト増加を吸収した。そして通期も大幅増収増益予想(10月24日付で上方修正)としている。期末に向けてクラウドサービスの収益が積み上がる構造を勘案すれば、通期会社予想に再上振れの可能性があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化も影響して反発力の鈍い形だが、大きく下押すことなく推移して下値固め完了感を強めている。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■24年3月期2Q累計大幅増収増益、通期は再上振れの可能性

24年3月期第2四半期累計の連結業績(10月24日付で上方修正)は、売上高が前年同期比19.9%増の138億52百万円、営業利益が33.1%増の26億91百万円、経常利益が33.4%増の28億52百万円、親会社株主帰属四半期純利益が31.3%増の16億54百万円だった。

大幅増収増益だった。ECソリューション事業、ITソリューション事業とも順調に拡大し、コスト増加を吸収した。経常利益(前年同期比+7.2億円)の増減要因分析は、売上総利益増加で+10.7億円、人件費増加で▲0.7億円、採用費・研修費増加で▲0.3億円、広告費増加で▲0.9億円、研究開発費増加で▲0.3億円、その他経費増加で▲1.3億円としている。

ECソリューション事業は売上高が19.6%増の77億11百万円で、利益(全社費用等調整前経常利益)が24.6%増の21億35百万円だった。主力のECサイト構築ecbeingをはじめ、各事業が好調に推移した。売上高の内訳はECサイト構築が11.9%増の50.9億円、デジタルマーケティングが36.1%増の18.2億円、ECクラウドサービスが42.6%増の8.0億円だった。

ITソリューション事業は、売上高が20.3%増の61億41百万円で、利益が1.4%増の12億90百万円だった。利益面はPC買替需要によるIT機器販売増加や先行投資などの影響で利益率が低下したが、売上面は順調に拡大した。売上高の内訳はセキュリティ・インフラ構築が20.3%増の30.3億円、ITパッケージが0.9%減の8.3億円、ITクラウドサービスが18.8%増の11.0億円、IT機器が43.4%増の11.8億円だった。

四半期別に見ると、第1四半期は売上高66億54百万円で経常利益13億55百万円、第2四半期は売上高71億98百万円で経常利益14億97百万円だった。第2四半期も順調に伸長した。

通期連結業績予想は10月24日付の上方修正値を据え置いて、売上高が23年3月期比14.2%増の277億02百万円、営業利益が17.5%増の50億79百万円、経常利益が18.1%増の53億円、親会社株主帰属当期純利益が13.2%増の31億円としている。

ECソリューション事業、ITソリューション事業とも伸長し、人件費や広告費などの増加を吸収する見込みだ。売上高の計画はECソリューション事業が15.2%増の153億円、ITソリューション事業が13.1%増の124億円としている。経常利益(前年同期比+8.2億円)の増減要因分析(見込み)は、売上総利益増加で+15.8億円、人件費増加で▲2.6億円、採用費増加で▲1.0億円、広告費増加で▲2.0億円、その他経費増加(税金等)で▲2.0億円としている。

第2四半期累計の進捗率は売上高50%、営業利益53%、経常利益54%、親会社株主帰属当期純利益53%と順調である。さらに、期末に向けてクラウドサービスの収益が積み上がる構造を勘案すれば、通期会社予想に再上振れの可能性があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

なお配当予想は、10月24日付の上方修正値(第2四半期末9円、期末9円、合計18円上方修正)を据え置いて48円(第2四半期末24円、期末24円)としている。23年4月1日付の株式2分割を遡及修正すると23年3月期の25円に対して23円増配(4期連続増配)で、予想配当性向は38.9%となる。配当性向目標を従来の30%から40%に引き上げて大幅増配予想としている。

■株価は上値試す

株価(23年4月1日付で株式2分割)は地合い悪化も影響して反発力の鈍い形だが、大きく下押すことなく推移して下値固め完了感を強めている。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。11月1日の終値は1673円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS123円52銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の48円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS600円51銭で算出)は約2.8倍、そして時価総額は約461億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る