【注目銘柄】東京きらぼしFGは反落も業績上方修正を手掛かりに下値に最割安銀行株買いが交錯

 東京きらぼしフィナンシャルグループ<7173>(東京プライム)は、前日13日に60円安の4300円と3営業日ぶりに反落した。同社株は、下ヒゲで75日移動平均線を確かめ、上ヒゲで25日移動平均線を試す往来相場を続けており、25日線接近場面では戻り売りも出て上値を抑えられた。ただ取引時間中の安値からは、小戻して引けており、下値では今年11月1日に発表した今2024年3月期業績の上方修正を手掛かりにバリュー株(割安株)買いが交錯した。上方修正により東証プライム市場の低PERランキングの第29位にランクインし、銀行株で最割安となることも意識されている。

■貸出金利息が貸出残高増加や金利上昇で増加し与信費用も減少

 同行の今3月期業績は、期初予想より経常利益、純利益がそれぞれ20億円引き上げられ経常利益301億円(前期比2.1%減)、純利益240億円(同13.4%増)と見込んでいる。同時発表の今期第2四半期(2023年4月~9月期、2Q)累計業績も、期初予想より経常利益が45億900万円、純利益が45億7300万円上ぶれ、経常利益が183億900万円(前年同期比38.5%増)、純利益134億7300万円(同56.2%増)と続伸して着地しており、これに伴って今3月期通期業績を上方修正した。

 2Q累計業績は、貸出金利息が、メイン化取引の推進や事業性ファイナンスへの取り組みなどで貸出金残高が増加して利回りも上昇して前年同期より50億円増加したほか、与信費用が貸倒損失の減少などで7億円減少し、株式等関係損益でも純投資株式の株式売却益で18億円増加したことが上方修正着地につながった。3月期通期業績の上方修正幅は、2Q累計業績の上ぶれ幅より小幅にとどまっているが、日銀の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)が柔軟化され金利が上がる方向にあるだけに通期業績の再上ぶれ期待も高まりそうだ。

■25日線を上抜きPER5倍、PBR0.4倍の修正で年初来高値に挑戦

 株価は、米国の地銀倒産による金融不安を背景にした世界同時株安が波及してつけた年初来安値2400円から決算発表のたびに下値を切り上げ、東京都大田区と産業振興や教育・SDGsなど多方面にわたり大田区の地域経済活性化に取り組む包括連携協定を締結したことも加わって年初来高値4875円まで買い進まれた。同高値後の調整安値4055円からは今期業績の上方修正で4685円と買われ25日線抜けに挑戦する展開が続いた。PERは5.46倍と銀行株で最割安となり、PBRも0.47倍、年間配当も3.02%と出遅れており、25日線突破で弾みをつけ年初来高値奪回に再チャレンジしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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