【編集長の視点】CRIミドルウェアは反落も続伸業績を手掛かりに割安ゲーム株買いが交錯

 CRI・ミドルウェア<3698>(東証グロース)は、前日5日に23円安の949円と反落して引けた。日経平均株価が、1.34%安と3営業日続落し、東証グロース市場指数も2.42%と反落したことから、10月24日につけた直近安値893円から底上げ途上にある同社株も目先の利益を確定する売り物に押された。ただ25日移動平均線を前に下値抵抗力も示しており、割安ゲーム関連株が交錯した。今2024年9月期業績が続伸し、年間配当も15円継続と予想されていることが手掛かりとなっている。テクニカル的にも、25日移動平均線をキープしており5日移動平均線が25日線を上抜くミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現するチャート形状となっており、ポジティブに評価されている。

■ミドルウェア/ツールが続伸し導入予定のAI通訳にも業績期待

 同社の今2024年9月期業績は、前期業績のV字回復のあとを受け、売り上げ29億9000万円(前期比5.3%増)、営業利益3億5500万円(同2.9%増)、経常利益3億8000万円(同0.2%増)、純利益2億8500万円(同22.5%増)と続伸が予想されている。選択と集中のグループ戦略で前期に子会社株式を譲渡しゲーム開発/運営の前期売り上げ3億2800万円が剥落するが、ミドルウェア/ツール(CRI)では今期第2四半期に料金体系の更新を予定していることなどから売り上げが14億2000万円(同5.8%増)、音響制作も前期横並びの3億円と堅調に推移し、エンタープライズ事業では、組込みの売り上げがスマート遊技機の入れ替え関連需要などを受け7億3000万円(同28.2%増)と好調に推移することなどが要因となる。また今期のR&D投資を2億4000万円(同60%増)と積極化して経営の3本柱として注力中のオンラインコミュニケーションプラットフォーム「TeLeXus」では、今期中にAI通訳を開発・導入しワールドワイドなコミュニティ形成を目指すことも、業績期待を高めている。

 今期配当は、前期に普通配当として初めて年間15円を実施し、設立20周年の記念配当20円を実施した2021年9月期以来2期ぶりに復配したが、この普通配当15円を継続予定である。

■ミニGCを確かめPER17倍の割安修正に弾みをつけ年初来高値目指す

 株価は、今年5月の前期業績の上方修正にゲーム関連株人気が加わって年初来高値1224円まで買い進まれ、子会社株譲渡などで893円まで調整して25日移動平均線が75日移動平均線を下抜くデッドクロス(DG)を示現したが、今期業績の続伸業績に反応して1000円台にタッチして5日線が25日線を上抜くミニGCを示現して上昇トレンド転換を示唆した。足元では25日線で下値確認を続けているがPERは17.4倍、PBRは1.41倍、配当利回りは1.58%とゲーム関連株、東証グロ-ス市場株として相対的に割り負けている。年初来高値奪回に再発進しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞・株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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