【編集長の視点】天満屋ストアは8連騰、3Qの連続2ケタ増益業績を手掛かりに割り負け修正買いが増勢

編集長の視点

 天満屋ストア<9846>(東2)は、13円高の1080円と8営業日続伸して始まり、昨年7月15日につけた昨年来高値1130円を視界に捉えている。前日6日大引け後に発表した今2月期第3四半期(3Q)決算が、2ケタ増益と続伸して着地し昨年10月7日に上方修正した2月通期業績に対して順調な利益進捗率を示したことを評価して割り負け修正買いが増勢となっている。昨年7月の年初来高値も、今期第1四半期(1Q)業績が、順調な利益進捗率を示したことが要因となっており、連想されている。きょう7日の日経平均株価が、海外株安で89円安と大発会以来、4日続落してスタートしているなか、内需関連の業態を評価してディフェンシブ株人気も高めている。

■値ごろ感のある商品などを充実させローコスト経営への取り組みも強化

 3Q業績は、売り上げが前年同期比0.6%減と続落したが、営業利益は同15.3%増、経常利益は同25.5%増、純利益は同2.3%倍と続伸し、2月通期業績対比の営業利益と経常利益の進捗率は、74%~73%と目安の75%をほぼクリアした。売り上げは、実質賃金の伸び悩みや食料品の値上げなどから消費マインドの改善が進まない環境下で続落したが、利益は、値ごろ感のある商品の充実や商品管理の強化によって「適品、適時、適量、適価」に注力し、昨年4月の鴨方店、11月の高梁店の改装では同時に天満屋百貨店とコラボレーションした「天満屋ショップ」を導入して既存店舗を活性化させ、ローコスト経営への取り組みを強化しことなどで業績続伸につながった。

 2月通期業績は、昨年10月の上方修正値を据え置き、売り上げ736億円(前期比0.6%減)、営業利益24億円(同9.9%増)、経常利益22億円(同17.7%増)、純利益7億5000万円(同96.8%増)と見込んでいる。なお純利益は、前々期、前期計上の店舗閉鎖損失、固定資産減損損失の反動減などで大幅増益となる。

■PBR0.7倍の修正で昨年来高値抜けから2013年12月高値へキャッチアップ

 株価は、今期1Qの好決算を評価してつけた昨年来高値1130円から昨夏の世界同時株安の波及で925円安値へ下ぶれたが、その後は10月の今期業績の上方修正で1000円台を回復、同水準での中段固めを続けてきた。PERは16倍台、PBRに至っては0.7倍と割り負けている。買い物難民の高齢者向けの「移動スーパーとくし丸」の展開や備前市との高齢者の見守り活動協定の締結などの話題性も加わり、昨年来高値抜けから次の上値フシの2013年12月高値1490円へのキャッチアップを強めよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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