トレジャー・ファクトリーは24年2月期3Q累計大幅増益、通期は再上振れの可能性

(決算速報)
 トレジャー・ファクトリー<3093>(東証プライム)は1月12日の取引時間終了後に24年2月期第3四半期累計連結業績を発表した。既存店売上が好調に推移し、グループ会社も貢献して大幅増益だった。通期は前回予想(23年10月11日付で上方修正)を据え置いたが、第3四半期累計の進捗率が高水準あり、既存店売上が23年12月も前年比107.4%と好調を維持していることなどを勘案すれば、通期会社予想は再上振れの可能性が高く積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は戻り一服の形だったが調整一巡感を強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。

■24年2月期3Q累計大幅増益、通期は再上振れの可能性

 24年2月期第3四半期累計連結業績は売上高が前年同期比22.0%増の248億73百万円、営業利益が30.2%増の24億75百万円、経常利益が29.1%増の25億09百万円、親会社株主帰属四半期純利益が26.7%増の16億円だった。EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却費)は30.3%増の28億06百万円だった。

 大幅増収増益だった。リユース意識の高まり、物価高による節約志向の高まり、行動制限緩和に伴う外出需要の回復、メディア露出増加による認知度向上などで既存店売上が好調に推移し、グループ会社も貢献した。営業利益の前年同期比+5億74百万円の増減分析は、単体既存店と前期出店店舗の増益で+7億14百万円、新店で▲82百万円、その他(店舗以外のチャネルの買取体制強化に伴う費用増で▲1億60百万円、M&A関連の一時的費用で▲44百万円、採用強化に伴う求人広告費増加で▲32百万円など)で▲3億69百万円、グループ会社の利益貢献で+3億11百万円だった。

 新規出店は、年間25店舗前後の計画に対してグループ合計17店舗の出店を完了し、24年1月末時点のグループ店舗数(海外およびFCを含む)は274店舗となった。

 単体ベースの既存店売上高は110.1%、販売件数は105.0%、1件あたり販売単価は104.9%だった。既存店の売上総利益率は65.7%で0.7ポイント低下した。ブランド品やホビーアイテムのトレカなど原価率の高い高単価商材の販売が好調だったことに加えて、前年は新品家電の供給が細ったため中古家電の売値や利益率が高くなっていたが、当期は通常の売値・利益率に戻ったことも影響した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高82億59百万円で営業利益10億32百万円、第2四半期は売上高76億03百万円で営業利益4億15百万円、第3四半期は売上高90億10百万円で営業利益10億27百万円だった。第2四半期は低単価の夏物衣料が増加するため、売上高・利益とも構成比が低い季節要因がある。

 通期は前回予想(23年10月11日付で上方修正)を据え置いて売上高が23年2月期比19.0%増の335億86百万円、営業利益が22.7%増の31億47百万円、経常利益が21.1%増の31億76百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が17.8%増の20億15百万円としている。配当予想(23年7月12日付で第2四半期末2円上方修正、23年10月11日付で期末2円上方修正)も据え置いて、年間25円(第2四半期末12円、期末13円)としている。23年3月1日付の株式2分割遡及修正後で比較すると、23年3月期(18円50銭)比6円50銭増配となる。また予想配当性向は29.0%となる。

 通期の新規出店(連結ベース)は25店舗前後としている。既存店売上(単体ベース)については、期初時点で下期を前期並みの前提としていたが、10月11日付の修正後は第3四半期を前年比104%、第4四半期を101%の想定に修正した。売上総利益率については、期初時点で下期を前期並みの前提としていたが、上期実績を踏まえて、第3四半期を前年比0.2%低下、第4四半期を前期並みの想定に修正した。その他のコスト面では、追加費用として約1億円(9月からの従業員給与のベースアップで約30百万円、宅配買取拠点拡張費用で約30百万円、M&A関連費用で約40百万円追加)を見込んでいる。なおアクオを第4四半期から新規連結するが業績への影響は軽微の見込みとしている。

 通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が74%、営業利益が79%、経常利益が79%、親会社株主帰属当期純利益が79%である。夏物衣料が主力となる第2四半期の構成比が低い季節要因を考慮すれば第3四半期累計の各進捗率は高水準であり、既存店売上が23年12月も前年比107.4%と好調を維持していることなどを勘案すれば、通期会社予想は再上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡

 株価(23年3月1日付で株式2分割)は戻り一服の形だったが調整一巡感を強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。1月12日の終値は1300円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS86円25銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の25円で算出)は約1.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS291円34銭で算出)は約4.5倍、そして時価総額は約317億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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