ケンコーマヨネーズは24年3月期業績・配当予想を上方修正、自己株式取得も発表

(決算速報)
 ケンコーマヨネーズ<2915>(東証プライム)は2月13日の取引時間終了後に24年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。ファストフード向けを中心とする売上回復、価格改定効果、生産性向上効果などで大幅増益だった。そして通期業績予想および配当予想を上方修正した。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。なお自己株式取得も発表した。株価は水準を切り上げて昨年来高値更新の展開だ。好業績に加えて1倍割れの低PBRなども支援材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■24年3月期3Q累計大幅増益、通期業績・配当予想を上方修正

 24年3月期第3四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比7.2%増の671億03百万円、営業利益が5.3倍の23億26百万円、経常利益が5.2倍の24億26百万円、親会社株主帰属四半期純利益が5.8倍の16億51百万円だった。

 コスト面では原材料価格・エネルギーコストが引き続き高い水準で推移したが、ファストフード向けを中心とする売上回復、価格改定効果、生産性向上効果などにより大幅増益で着地した。

 調味料・加工食品事業は売上高が8.3%増の523億45百万円、セグメント利益(調整前経常利益)が16億10百万円(前年同期は1億16百万円の損失)だった。サラダ・総菜類は価格改定効果や小容量サラダの増加などにより、マヨネーズ・ドレッシング類は価格改定効果や量販店向けマヨネーズの増加などにより、いずれも好調だった。タマゴ加工品は高病原性鳥インフルエンザ感染拡大に伴う供給制限を解除して回復基調だが、累計ベースでは減収だった。

 総菜関連事業等は売上高が4.0%増の140億63百万円、利益が30.9%増の8億06百万円だった。価格改定、生鮮売り場向け商品など販売カテゴリー拡大、宅配など販売チャネルの拡大などの効果により順調だった。

 なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が214億02百万円で営業利益が1億99百万円、第2四半期は売上高が223億61百万円で営業利益が5億83百万円、第3四半期は売上高が233億40百万円で営業利益が15億44百万円だった。第3四半期は価格改定効果などが本格化した形だ。

 通期の連結業績予想については2月13日付で上方修正し、売上高が23年3月期比6.2%増の874億90百万円、営業利益が26.7倍の28億円、経常利益が17.2倍の29億円、親会社株主帰属当期純利益が4.9倍の23億90百万円としている。配当予想については2月13日付で期末5円上方修正し、23年3月期比13円増配の30円(第2四半期末10円、期末20円)としている。予想配当性向は20.2%となる。

 24年3月期は前回予想に対して売上高を90百万円、営業利益を15億80百万円、経常利益を16億円、親会社株主帰属当期純利益を18億20百万円、それぞれ上方修正して増収増益幅が拡大する見込みとした。第3四半期累計が大幅増益だったことに加え、高病原性鳥インフルエンザの発生状況、食用油・鶏卵価格の落ち着きなども考慮した。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 なお自己株式取得を発表した。2月14日の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT―3)において、上限15万株・2億7810万円として買付を行う。

 株価は水準を切り上げて昨年来高値更新の展開だ。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインだ。好業績に加えて1倍割れの低PBRなども支援材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。2月13日の終値は1854円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS148円44銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の30円で算出)は約1.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2281円75銭で算出)は約0.8倍、そして時価総額は約305億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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