イトーキは24年12月期1Q大幅増収増益と順調

(決算速報)
 イトーキ<7972>(東証プライム)は、5月13日の取引時間終了後に24年12月期第1四半期連結業績を発表した。大幅増収増益と順調だった。ワークプレイス事業の増収効果に加え、提供価値の向上などの効果も寄与した。そして通期2桁増益・大幅増配予想を据え置いた。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は急伸した2月の高値圏から一旦反落したが、利益確定売りが一巡して切り返しの動きを強めている。上値を試す展開を期待したい。

■24年12月期1Q大幅増収増益と順調、通期2桁増益・大幅増配予想

 24年12月期第1四半期の連結業績は売上高が前年同期比10.7%増の409億18百万円、営業利益が26.4%増の60億39百万円、経常利益が24.7%増の60億15百万円、親会社株主帰属四半期純利益が24.4%増の41億01百万円だった。

 大幅増収増益と順調だった。ワークプレイス事業の増収効果に加え、提供価値の向上などの効果も寄与した。営業利益+12億円の要因分析は、売上増加に伴う利益増加+15億円、売上総利益率改善+0.5億円、販管費増加(DX推進のためのIT基盤強化、人的資本投資の一環としての賃上げ、専門人材の採用など)▲3億円、物流費減少(中期重点戦略による物流サービスの収益力強化)+0.2億円だったとしている。

 ワークプレイス事業は、売上高が14.3%増の317億78百万円、営業利益が28.5%増の52億56百万円だった。ハイブリッドな新しい働き方にあわせたリニューアル案件やオフィス移転案件を中心に好調だった。増収効果に加え、提供価値の向上による利益率改善なども寄与して大幅増益だった。

 設備機器・パブリック事業は、売上高が0.1%減の87億78百万円、営業利益が35.3%増の7億48百万円だった。前期好調だった反動で博物館・美術館の展示ケースなど公共施設向け設備の需要が減少したため、全体として売上高は前年同期並みにとどまったが、研究施設向けの増収効果や提供価値の向上による利益率改善などの効果で大幅増益だった。

 通期連結業績予想は据え置いて売上高が23年12月期比3.4%増の1375億円、営業利益が17.3%増の100億円、経常利益が16.9%増の100億円、親会社株主帰属当期純利益が18.5%増の70億円としている。配当予想は23年12月期比10円増配の52円(期末一括)としている。予想配当性向は36.1%となる。

 セグメント別の計画は、ワークプレイス事業の売上高が5.0%増の990億円で営業利益が30.5%増の80億円、設備機器・パブリック事業の売上高が0.4%増の370億円で営業利益が4.9%増の20億円としている。

 各事業とも引き続き需要が堅調に推移し、増収効果や提供価値の向上による利益率改善などにより2桁増益・大幅増配予想としている。なお第1四半期の進捗率は売上高が30%、営業利益が60%と高水準だが、年度末に当たる第1四半期の構成比が高い季節特性がある。

 24年12月期は新中期経営計画の初年度として重点戦略を推進する方針だ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は急伸した2月の高値圏から一旦反落したが、利益確定売りが一巡して切り返しの動きを強めている。週足チャートで見ると13週移動平均線が支持線の形となっている。上値を試す展開を期待したい。5月13日の終値は1912円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS144円12銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の52円で算出)は約2.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1210円96銭で算出)は約1.6倍、そして時価総額は約1021億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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