JR東海、東海道新幹線の車両外観検査システムを開発、AIと高速計測で安全性を向上

■2029年度本格運用目指し、検査頻度向上と人手削減を実現

 JR東海(東海旅客鉄道)<9022>(東証プライム)は5月22日、東海道新幹線の車両外観検査を自動化する新システムを開発したと発表。従来、全長400mの車両を社員が徒歩で検査していたが、新システム導入により労力を大幅に削減し、検査頻度を高めることができる。このシステムは「外観検査装置」と「パンタグラフすり板検査装置」の2つから構成されている。これにより、新幹線の安全性がさらに向上する見込み。

 外観検査装置は、車両基地の検査庫入口にカメラやセンサーを配置し、約10km/hで入庫する車体や床下機器を自動で撮影・検査する。この装置は国内初の技術であり、ボルトの緩みなど微細な異常も精度良く検知できる特許出願済みの技術を採用している。また、パンタグラフすり板検査装置は、駅の線路上に設置され、70km/hで走行する車両のすり板を自動で高精度に検査する。これにより、全車両のすり板の状態を少ない台数で高頻度に把握できるようになる。

 今後の予定として、2024年度に外観検査装置を大井車両基地へ、パンタグラフすり板検査装置を品川駅へ設置し、営業車両での検証を進める。その後、設置工事を経て、2029年度頃の本格的な運用開始を目指す。外観検査装置はNTTデータ東海と日本車輌製造<7102>(東証プライム)の協力のもと開発され、パンタグラフすり板検査装置は日立製作所<6501>(東証プライム)と共同で開発された。これにより、新幹線の安全性と効率が飛躍的に向上することが期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国内初、HVO51%混合燃料が建設現場で稼働  大成建設<1801>(東証プライム)とユーグレナ…
  2. ■従来の制作プロセスを刷新しAI時代の人材育成を推進  武蔵精密工業<7220>(東証プライム)は…
  3. ■高速道路で手放し運転が可能に、新開発「Honda SENSING 360+」がACCORDの運転支…
2025年7月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

ピックアップ記事

  1. ■内需株に広がる「トランプ・ディール」回避の波  東京電力ホールディングス<9501>(東証プライ…
  2. ■日米関税交渉、7月9日に運命の日「90日猶予」迫る潮目  「三日、三月、三年」とは、潮目、変わり…
  3. ■祝日と金融政策が交錯する7月  7月は、7月21日が「海の日」が国民の祝日に制定されてからフシ目…
  4. ■「MMGA」効果の造船株・海運株は「海の日」月間キャンペーン相場も加わり一段高を期待  あと1カ…
  5. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  6. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る