【注目銘柄】パワーソリューションズは株式分割の権利取りに2Q決算発表期待がオンして反発

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 パワーソリューションズ<4450>(東証グロース)は、前日11日に55円高の3200円と反発して引け、取引時間中には3270円と買われる場面もあり5月14日につけた年初来高値3400円を視界に捉えた。同社株は、今年7月31日を基準日の株式分割を予定しており、この分割権利取りの買い物が再燃したほか、今年8月14日に予定している今2024年12月期第2四半期(2024年1月~6月期、2Q)累計決算発表時に、中間配当と同様に期末配当も初配当を実施すると期待する催促買いも上乗せとなっている。期末配当は、期初には無配継続としていたが、今年5月の中間配当実施発表とともに、未定と変更して期末配当に含みを持たせた。テクニカル的にも2019年10月の新規株式公開(IPO)時につけた上場来高値5160円からその後の上場来安値1710円まで調整した下落幅の半値戻しをクリアしており、全値戻しへ一段のリバウンド幅拡大期待も高めている。

■利益還元方針を変更して中間配当、株式分割を次々に実施

 同社は、今年4月16日に株主還元方針の変更を発表しており、従来の内部留保充実方針から内部留保を充実させながら株主への利益還元を図る方針に変更し、配当、株式分割、株主優待制度を実施することとした。この方針変更に基づく、今期2Q時の中間配当は、期初の無配継続から22円の初配当を実施することを発表し、期末配当も無配継続を未定に変更した。このため2Q累計決算発表の8月14日に期末配当の実施を期待し催促する動きを強めている。一方、6月17日に発表した株式分割は、7月31日を基準日に1株を2株に分割する。

 一方、今12月期通期業績は、売り上げ68億円(前期比14.6%増)、営業利益5億7700万円(同21.8%増)、経常利益6億円(同4.3%減)、純利益3億9700万円(同11.0%減)と予想されている。DX(デジタルトランスフォーメーション)市場、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)市場、資産運用市場とも高成長を続けており、既存取引先の金融機関の受注拡大、新規取引先の獲得、RPA関連サービスの注目度アップが続くことが要因となる。経常利益、純利益は、前期に計上した投資運用益の一巡で小幅減益となるが、今年5月14日に発表した今期第1四半期(2024年1月~3月期、1Q)の経常利益は前年同期比34.1%増益、純利益も同55.9%増益で着地しており、このカバーも期待される。

■PER11倍の割安修正で最高値調整幅の3分の2戻しの4000円台を意識

 株価は、今期経常利益・純利益の小幅減益転換予想が響いてつけた年初来安値2391円から4月の株主還元方針の変更で年初来高値3400円まで買い進まれ、上場来高値から同安値までの調整幅の半値戻しをほぼクリアした。中間配当初配当でも3350円と反応したが、株式分割発表では材料出尽くしとして3000円割れまで調整、25日移動平均線水準を出没する三角保ち合いを続けてきた。PERは11.5倍と割安で、分割権利取りもオンしており、最高値調整幅の半値戻しの年初来高値3400円抜けから3分の2戻しの4000円大台が次の上値フシとして意識されよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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