【どう見るこの株】ワッツは続落も3Q高利益進捗率業績と還元方針変更を手掛かりに早期リバウンド余地

■円高メリットと株主還元強化で反発期待

 ワッツ<2735>(東証スタンダード)は、前日に63円安の683円と続急落して引けた。日経平均株価が、4451円安と過去最大の下げ幅で3営業日続落して3万1000円台まで売られ、東証スタンダード市場指数も、10・89%安と3営業日続落して年初来安値を更新する大逆風相場下、8月1日に年初来高値808円まで買い進まれていた同社株だけに目先の利益を確定する売り物が増勢となった。ただ同社が7月10日に発表した今2024年8月期第3四半期(2023年9月~2024年5月期、3Q)業績が、V字回復して今年3月に上方修正した今8月期通期予想業績を上回って着地したことや、来2025年8月期から株主還元方針を変更し累進配当制度を導入することを手掛かりにして、早期に売られ過ぎとしてリバウンド展開する余地もありそうだ。為替相場が1ドル=141円台と急速な円高・ドル安進行となっていることも、円高メリット株の一角に位置する同社株にサポート材料となりそうだ。

■出店計画が順調に推移し3Q純利益は通期予想を1億2000万円上回る

 同社の今期3Q業績は、売り上げ456億400万円(前年同期比2.6%増)、営業利益10億5400万円(同2.84倍)、経常利益10億6900万円(同2.86倍)、純利益7億6000万円(同2.48倍)とV字回復した。100円ショップの出店増が、124店舗と今期通期計画の160店舗に対して順調に進捗し、不採算店の閉鎖も79店舗となり、3Q期末の直営店が49店舗増の1799店舗となり、食品アイテムの品揃えを充実させ、雑貨アイテムの強化を目的とするロードサイドの大型店の改装を進めたことなどが寄与した。

 今8月期通期業績は、今年3月に上方修正され売り上げ602億円(前期比1.5%増)、営業利益10億5000万円(同68.9%増)、経常利益10億円(同59.5%増)、純利益6億2000万円(同2.74倍)と見込まれているが、3Q利益は、この通期予想業績を1億2000万円~400万円上回って着地した。円高・ドル安進行による円高メリットも加わり、期末にかけての業績再上ぶれ期待につながる。なお株主還元方針は、従来の安定配当継続方針から減配をしない累進配当制度を導入し、2025年8月期から適用し、また期末配当一本だった年間配当を中間配当を実施する方針に変更した。

■PER14倍、PBR0.7倍の売られ過ぎ修正で年初来高値奪回に再発進

 株価は、今年3月の今期業績の上方修正でストップ高して768円と買われ、その後の月次売上高のプラス推移や今期3Q業績のV字回復でも772円と上値を伸ばし、株主還元方針の変更では年初来高値808円まで買い進まれたが、前半波乱相場とともに600円台に急落した。バリュー的にPERは、通期予想ベースで14.6倍、3Q実績ベースで11.8倍、PBRは0.78倍、テクニカル的にも25日移動平均線から6.6%のマイナスかい離といずれも売られ過ぎを示唆しており、リバンド期待が高まる。25日線の731円クリアから年初来高値奪回に弾みをつけよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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