三菱電機、世界最高性能のレーダ衛星「だいち4号」が観測開始、広域観測と高分解能を両立

■PALSAR-3による世界トップレベルの観測能力で地球の姿を鮮明に

 三菱電機<6503>(東証プライム)は8月6日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から受注し、2024年7月1日にH3ロケットによって打ち上げられた先進レーダ衛星「だいち4号」による初観測画像を取得したと発表。だいち4号に搭載されているフェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダ(PALSAR-3)の試験電波発射によって確認されたものである。これにより、防災・減災などの分野での活用が期待されている。

 だいち4号はレーダで地球を観測する衛星で、高精度かつ広範囲の画像を取得できる。これにより、広域で同時多発的に災害が発生した場合でも迅速な状況把握が可能となる。三菱電機は2016年度にだいち4号の開発を開始し、鎌倉製作所で設計・製造・試験を担当してきた。広域観測と高分解能を両立させるために不可欠なPALSAR-3も三菱電機が開発を担当している。

 PALSAR-3は現在運用中のだいち2号に搭載されたレーダと同等の高分解能を維持しつつ、観測幅を拡大している。高度約628kmから全地球規模での高分解能観測を行い、地殻・地盤変動の監視や火山活動、地盤沈下、地滑りなどの異変の早期発見、森林資源の管理などに活用される予定である。三菱電機は今後も、長年培った宇宙開発に関する知見を最大限に活用し、社会課題の解決や豊かな社会構築に向けて積極的に取り組んでいくとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る