国内初!高速道路を止めずに橋を修復!大幅に工期短縮、鹿島とNEXCO中日本が共同開発

■長野自動車道で国内初の大規模実証実験に成功

 鹿島<1812>(東証プライム)は8月30日、NEXCO中日本(社長:縄田正)と共同開発した超高性能繊維補強セメント系複合材料(UHPFRC)を用いた道路橋床版のリニューアル工法を、高速道路を供用しながら実施する大規模改良工事に国内で初めて導入したと発表。この新工法では、老朽化した道路橋床版のコンクリート上面をUHPFRCに打ち替えることで、床版全体を撤去せずに性能を回復させることが可能となる。本工法を長野自動車道岡谷高架橋改良工事に適用し、高速道路を通行止めせずに128mの施工を約8時間で完了した。

 岡谷高架橋はPC箱桁橋であり、これまではSFRCを使用して床版の耐荷力を高める工事が行われていた。しかし、SFRCでは床版の厚さが増すため、橋梁下部構造の補強や路面高の調整工事が必要だった。これに対し、UHPFRCを用いる本工法は、舗装を含めた厚さを現況と変えずに耐荷力と塩害に対する抵抗性を向上させることができる。2020年にNEXCO中日本と共同で開発されたこの技術は、今回の工事で初めて高速道路を通行止めせずに実施された。

 同工法の施工手順では、片側2車線道路の1車線を規制し、既設コンクリートの劣化部を除去した後、専用機械を使用してUHPFRCを打ち込む。この作業は約8時間で128mの長さを施工し、車線規制を解除して作業を完了する。工事は2024年7月に第Ⅰ期が完了し、第Ⅱ期が2024年11月に予定されている。今後も6年間で施工延長2,066m(20,315平方メートル)の打替えを実施予定であり、UHPFRCによる補修・補強技術は高速道路のリニューアルに大きく寄与すると期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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