【編集長の視点】土木管理総合試験所は連日の最高値、直近割安IPO株買いに地質調査関連株人気がオン

編集長の視点

土木管理総合試験所<6171>(東2)は、寄り付きの買い気配から342円高の2272円まで買い進まれて前日のストップ高に続いて3営業日続伸、連日の上場来高値更新となっている。今12月業績が、大幅増収増益と予想されていることを手掛かりに直近割安IPO(新規株式公開)株が増勢となっている。今年9月10日に関東・東北豪雨で鬼怒川の堤防が決壊したことに次いで、10月14日には杭工事のデータの偽装が判明した神奈川県横浜市のマンションの傾斜問題も加わり、地質調査関連株人気も高めている。

■鬼怒川堤防決壊にマンション杭工事データ偽装が続き関連需要思惑

同社株は、今年8月26日に公開価格1350円でIPOされ、折からの世界同時株安の影響もあって公開価格を下回る1220円で初値をつけ、上場来安値1140円まで下ぶれ、公開価格割れは下げ過ぎとしてストップ高を交えて8月には1799円高値まで58%高した。同高値からは、再び1166円と最安値を試す調整となったが、鬼怒川の堤防決壊でインフラ関連の地質調査関連株人気を強めて1777円と底上げ、今回のマンションの杭工事データ偽装で関連需要思惑を高めさらに上値を追っている。

一方、同社の今12月期業績は、売り上げ43億5600万円(前期比7.5%増)、経常利益4億100万円(同35.6%増)、純利益2億5600万円(同69.9%増)と見込まれている。試験総合サービス事業、地盤補強サービス事業を展開する建設コンサルタント企業として、全国的な防災・減災工事、社会インフラの老朽化更新工事のほか、大型工事では、関東地方の東京オリンピック関連案件や圏央道建設案件、北陸地方では北陸新幹線延伸案件、東北地方では震災復興関連案件などが続き、この大型案件に備えて積極的に人員を増員、人員増による売り上げ増に加え、ワンストップサービスの推進、効率的な業務遂行、経費削減などを進めたことが相乗して大幅増収増益となる。配当も、年間18円を予定している。

■PERは21倍台と直近IPO株として相対的に割安で三角保ち合いを上放れ

株価は、25日移動平均線水準での三角保ち合いから上放れ再度、上場来高値接近となっているが、PERはなお21倍台と直近IPO株として相対的に割安である。一段の上値チャレンジに弾みをつけよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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