科研製薬が新・創傷治療材料「シルクエラスチン創傷用シート」で三洋化成とライセンス契約

■「創傷におけるすべてのステージで治療に貢献可能に」(堀内社長)

 科研製薬<4521>(東証プライム)は10月7日の正午前、三洋化成工業<4471>(東証プライム)が開発している新規の創傷治療材料「シルクエラスチン創傷用シート」(2024年4月に製造販売承認を申請)について、日本国内における独占的販売権に関するライセンス契約の締結を発表した。

 この契約により、科研製薬は、製品ポートフォリオの拡充が一段と進み、すでに発売している創傷・熱傷治療薬と合わせ、「創傷におけるすべてのステージで治療に貢献できるようになる」(科研製薬・堀内裕之社長)とした。

 「シルクエラスチン」は、日本初の遺伝子組み換え技術によって創生された人工タンパク質で、複雑な創傷面に密着して細胞増殖の環境を作り出す。細菌感染を助長させることなく、創傷治癒を促進することが示されている。

 これまでの臨床試験のデータから安全性と有効性の両面で良好な結果が得られており、日本初の遺伝子組み換え技術を用いた医療機器として、三洋化成が24年4月に製造販売承認申請を行った。

 ・効果的な組織再生を促進
 ・治療期間の短縮や痛みの軽減に寄与
 ・患者のQOL(治療生活上の質)向上に大きく貢献
などの効果が期待されている。

 同社では、創傷治癒剤とし初めてのスプレータイプとして注目された褥瘡・皮膚潰瘍治療剤「フィブラスト」(2001年発売)や熱傷における壊死組織除去剤「ネキソブリッド」(2023年発売)などを取り扱っており、形成外科、皮膚科などの診療領域に強みと実績がある。このたびのライセンス取得により、創傷治療の分野で新たな治療方法を提供することで、創傷治療への更なる貢献と患者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ:治療生活上の質)の向上に大きく貢献できることになる。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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