【2024年9月倒産集計】中小企業を中心に倒産拡大、粉飾倒産も急増

■物価高・人手不足が直撃、倒産件数29カ月連続で増加

 帝国データバンクの調査によると、倒産件数が2024年9月に741件に達し、前年同月比で9.1%増加した。これにより、29カ月連続で前年同月を上回る結果となり、9月としては2014年以来10年ぶりに700件を超えた。負債総額は1311億8700万円で、前年同月の6951億1000万円と比較して81.1%減少している。業種別では、サービス業が最も多く209件となり、過去最多を記録した。

■サービス業・小売業を中心に、小規模企業の倒産が加速

 業種別に見ると、7業種中6業種で前年同月を上回り、サービス業の件数は9月として2008年を超え、記録的な水準に達した。小売業や建設業も増加しており、特に飲食店の倒産件数が顕著に増えている。一方で、運輸・通信業は減少傾向にあり、特に道路貨物運送の件数が減少した。倒産の主な理由としては、販売不振が622件を占めており、過去3番目の高水準となった。

 倒産態様においては、清算型倒産が全体の97.2%を占め、特に破産件数が増加している。負債額の規模では、5000万円未満の倒産が最も多く、特に小規模企業の倒産が目立っている。また、業歴別では新興企業の倒産件数が211件に達し、12カ月連続で200件を上回った。

 地域別では、9地域中7地域で前年同月を上回り、特に関東地方での増加が顕著である。今後の見通しでは、粉飾倒産が急増する傾向があり、年間最多件数を更新する可能性が高い。これにより、金融機関の審査が厳しくなることが予想され、企業の倒産件数は引き続き増加する見通しである。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■全従業員にAI活用徹底、業務改革を本格化  LINEヤフー<4689>(東証プライム)は7月14…
  2. ■50年以上親しまれたかぜ薬が国内市場から姿を消す?  大正製薬は7月14日、塗るかぜ薬「ヴイック…
  3. ■鈴鹿8耐で新型CBコンセプト登場  ホンダ<7267>(東証プライム)は7月11日、大型ロードス…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■01銘柄:往年の主力株が再評価、低PER・PBRで買い候補に  今週の当コラムでは、買い遅れカバ…
  2. ■日米同時最高値への買い遅れは「TOPIXコア30」と「01銘柄」の出遅れ株でカバー  日米同時最…
  3. ■東京株、NYダウ反落と首相辞任で先行き不透明  東京株式市場は米国雇用統計の弱含みでNYダウが反…
  4. ■株式分割銘柄:62社に拡大、投資単位引き下げで流動性向上  選り取り見取りで目移りがしそうだ。今…
  5. ■金先物相場を背景に産金株が収益拡大の余地を示す  東京市場では金価格の上昇を背景に産金株が年初来…
  6. ■大統領の交渉術が金融市場を左右し投資家心理に波及  米国のトランプ大統領は、ギリシャ神話に登場す…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る