ファンデリーは25年3月期2Q累計減収・赤字だが通期増収・黒字予想据え置き、MFD事業の会員数が回復傾向

(決算速報)
 ファンデリー<3137>(東証グロース)は10月31日に25年3月期第2四半期累計(中間期)業績(非連結)を発表した。計画を下回り減収・赤字だった。当期はマーケティング事業が下期偏重であることに加え、MFD事業の新規会員獲得が計画を下回ったことも影響した。ただし通期の増収・黒字予想を据え置いた。MFD事業のアクティブ会員数が回復傾向であり、CID事業の営業損益も第3四半期以降のリテール販売拡大により改善見込みとしている。積極的な事業展開で収益回復基調を期待したい。株価は安値圏で軟調だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■25年3月期2Q累計減収・赤字だが通期増収・黒字予想据え置き

 25年3月期第2四半期累計(中間期)の業績(非連結)は、売上高が前年同期比14.5%減の11億64百万円、営業利益が1億28百万円の損失(前年同期46百万円)、経常利益が1億52百万円の損失(同24百万円)、四半期(中間)純利益が1億53百万円の損失(同23百万円)だった。

 期初計画(4月30日付公表値、売上高14億30百万円、営業利益11百万円の損失、経常利益が33百万円の損失、四半期(中間)純利益34百万円の損失)を下回り減収・赤字だった。当期はマーケティング事業が下期偏重であることに加え、MFD事業の新規会員獲得が計画を下回ったことも影響した。

 MFD事業は売上高が7.7%減の9億68百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が23.3%減の1億24百万円だった。減収減益だった。新規会員獲得が計画を下回り、定期購入顧客数が減少した。仕入原価の高騰も影響した。なお四半期別売上高を見ると、24年3月期第4四半期の4億68百万円をボトムとして、25年3月期第1四半期が4億81百万円、第2四半期が4億86百万円と回復傾向になっている。また会員数で見ると、第2四半期の定期コース会員数は6051人となって減少が続いているが、アクティブ会員数は24年3月期第3四半期の2万4044人をボトムとして、第4四半期が2万4088人、25年3月期第1四半期が2万4646人、第2四半期が2万5084人と回復傾向になっている。第2四半期末時点の紹介ネットワーク数は1万9808箇所だった。

 CID事業は売上高(セグメント間の内部売上高含む)が45.8%減の69百万円、利益が1億99百万円の損失(前年同期は1億55百万円の損失)だった。販売数が減少したことに加え、製造品目見直しに伴って製造数の調整を実施したことも影響して営業損失が拡大した。

 マーケティング事業は売上高が42.6%減の1億46百万円、利益が49.3%減の92百万円だった。業務受託案件の減少で大幅減収減益だが、第3四半期以降の獲得見込み案件が多数あるため、当期は下期偏重の計画としている。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が5億84百万円で営業利益が48百万円の損失、第2四半期は売上高が5億80百万円で営業利益が80百万円の損失だった。

 通期の業績(非連結)予想は据え置いて、売上高が24年3月期比16.1%増の30億72百万円、営業利益が6.9%増の62百万円、経常利益が63.1%減の20百万円、当期純利益が71.2%減の19百万円としている。

 セグメント別計画は、MFD事業の売上高が16.6%増の24億06百万円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が12.1%増の3億63百万円、CID事業の売上高(セグメント間の内部売上高含む)が24.0%減の1億86百万円で利益が3億68百万円の損失(24年3月期は2億05百万円の損失)、マーケティング事業の売上高が9.4%増の5億20百万円で利益が7.4%増の3億67百万円としている。

 経常利益と当期純利益については支払利息の増加などを考慮して減益予想だが、売上面はMFD事業の受注増加やマーケティング事業の堅調推移などで2桁増収を見込み、営業利益は人件費や広告宣伝費などの増加を吸収して増益予想としている。MFD事業のアクティブ会員数が回復傾向であり、CID事業の営業損益も第3四半期以降のリテール販売の拡大により改善見込みとしている。またマーケティング事業は期初時点で下期偏重の計画である。積極的な事業展開で収益回復基調を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は安値圏で軟調だが、調整一巡して出直りを期待したい。10月31日の終値は249円、今期予想PER(会社予想のEPS3円01銭で算出)は約83倍、前期実績PBR(前期実績のBPS64円00銭で算出)は約3.9倍、そして時価総額は約16億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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