【注目銘柄】冨士ダイスは大幅増配で配当利回り5%超え、中期経営計画進捗に注目、全値戻しへ再挑戦か

■前日比変わらずも配当方針変更・新中期経営計画を手掛かりに押し目買い交錯

 冨士ダイス<6167>(東証プライム)は、前日6日に2営業日連続で前日比変わらずの785円で引けた。取引時間中には793円と上値を伸ばしたが、ホンダ<7267>(東証プライム)が、この日13時に今3月期業績の下方修正を発表して急続落した影響もあり利益確定売りに押され778円安値へ下ぶれる場面もあった。ただ、今3月期配当が、配当方針の変更で大幅増配され、配当利回りが5%超となることから押し目買いも交錯し下値抵抗力を発揮した。また、今年11月14日に今2025年3月期第2四半期(2024年4月~9月期、3Q)累計決算の発表を予定しているが、今期から推進している中期経営計画への業績進捗度も注目されている。

■新配当方針にDOEを導入して大幅増配、配当利回りは5%超

 同社の配当は、前期に創業75周年の記念配当10円を上乗せして年間32円としたが、今期は、これに次いで配当方針を変更して連続増配を予定している。新配当方針は、株主資本配当率(DOE)を導入して4%をメドとするもので、年間配当を40円に増配する。この配当利回りは、前日終値段階で5.09%となり、東証プライム市場の高配当利回りランキングの第62位にランクインする。

 一方、中期経営計画は、最終年度の2027年3月期の目標業績を売り上げ200億円、営業利益20億円、経常利益21億円、純利益15億円と設定し、純利益は、前2024年3月期実績(7億900万円)から2.11倍となる。超硬合金製耐摩耗工具・金型製造で業界シェアが30%超のトップ企業として国内生産部門のロボット化・自動化・省人化による業務効率化、海外売上高比率を25%以上に引き上げる海外事業の飛躍、モーターコア用金型材種のラインアップ拡充による脱炭素化への対応、新事業開発室を設立しM&Aよる新事業の早期実現などを柱としている。なお今3月期業績は、売り上げ180億円(前期比7.9%増)、営業利益10億2000万円(同26.1%増)、経常利益21億円(同30.4%増)、純利益8億3000万円(同17.0%増)と増収増益転換を見込んでいる。今年8月に発表した今期第1四半期(2024年4月~6月期、1Q)業績が、連続減収益で着地しただけに、11月14日発表予定の今期2Q累計業績が、どのような進捗率を示すか注目されている。

■年初来高値からの調整幅の半値戻しを固め全値戻しへ再チャレンジ

 株価は、前期業績の下方修正で年初来安値652円と売られたが、今期業績のV字回復・大幅増配予想、新中期経営計画を手掛かりに年初来高値891円へ3割超高した。同高値からは、8月の全般相場急落に巻き込まれて680円まで再調整したが、配当利回りが5%を上回ることなどで下値抵抗力を発揮してリバウンドして再調整幅の半値戻しをクリアし、この水準で売り買いが交錯している。PBRも0.75倍と割り負けており、相場格言の「半値戻しは全値戻し」通りに年初来高値891円奪回に再チャレンジしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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