マーチャント・バンカーズは25年10月期大幅営業・経常増益予想、安定家賃収入を基盤に積極的な不動産戦略を推進

(決算記事)
 マーチャント・バンカーズ<3121>(東証スタンダード)は、12月13日に24年10月期連結業績を発表した。賃貸用不動産の売却益が想定を下回った一方で物件取得経費が想定を上回ったため、各利益は想定を下回った。ただし大幅増収効果で黒字を確保した。25年10月期は大幅営業・経常増益予想としている。10億円体制を構築した安定的家賃収入をベースとして、賃貸用不動産の取得・売却を積極的に行う方針だ。積極的な事業展開で収益改善基調だろう。なお自己株式取得も発表した。株価は安値圏から切り返して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■24年10月期は黒字着地、25年10月期は大幅営業・経常増益予想

 24年10月期(12ヶ月決算、23年10月期は7ヶ月決算)の連結業績は、売上高が44億46百万円、営業利益が3億26百万円、経常利益が99百万円、親会社株主帰属当期純利益が1億82百万円だった。配当は23年10月期比1円増配の2円(期末一括)とした。配当性向は32.1%となる。

 前回予想(23年12月14日付、売上高30億円、営業利益6億円、経常利益4億円、親会社株主帰属当期純利益2億60百万円)に対して、売上高は14億46百万円上回ったが、営業利益は2億73百万円、経常利益は3億円、親会社株主帰属当期純利益は77百万円それぞれ計画を下回った。

 売上高については、賃貸用不動産の売却が期初計画の3物件に対して6物件となったため計画を大幅に超過達成したが、利益面については賃貸用不動産の売却益が想定を下回った一方で物件取得経費(賃貸用不動産の取得は6物件)が想定を上回った。また本社経費が計画を上回ったことも影響した。経常利益については営業外で株主優待引当金繰入額を計上したことも影響した。ただし各利益は大幅増収効果で黒字を確保した。

 なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が3億63百万円で営業利益が68百万円の損失、第2四半期は売上高が10億55百万円で営業利益が83百万円、第3四半期は売上高が7億56百万円で営業利益が1億27百万円、第4四半期は売上高が22億72百万円で営業利益が1億84百万円だった。

 25年10月期連結業績予想は売上高が24年10月期比3.5%増の46億円、営業利益が84.0%増の6億円、経常利益が152.5%増の2億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が9.9%増の2億円としている。配当予想は24年10月期と同額の2円(期末一括)としている。予想配当性向は29.3%となる。

 10億円体制を構築した安定的家賃収入をベースとして、賃貸用不動産の取得・売却を積極的に行う方針だ。積極的な事業展開で収益改善基調だろう。なお自己株式取得(上限55万株・1億47百万円、取得期間24年12月16日~25年1月31日)も発表した。

■株価は反発の動き

 株価は安値圏から切り返して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。12月16日の終値は299円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS6円83銭で算出)は約44倍、今期予想配当利回り(会社予想の2円で算出)は約0.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS142円71銭で算出)は約2.1倍、時価総額は約85億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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