ラクーンはSD export、Paid等の認知度向上のための広告費が嵩むが、保証事業で原価率が低下したこともあり増収増益と最高益更新

■EC事業の海外流通額が前年同期比で63.3%増となる

 ラクーン<3031>(東1)の17年4月期は、SD export、Paid、保証事業の「URIHO」の認知度向上のための広告費が嵩んだものの、保証事業で保証履行額の減少により原価率が低下したこと等で、増収増益と最高益更新を達成した。

 17年4月期連結業績は、売上高23億59百万円(前年同期比5.8%増)、営業利益4億20百万円(同6.9%増)、経常利益4億14百万円(同12.7%増)、純利益2億55百万円(同6.9%増)であった。

 EC事業では、流通額は徐々に増加しているが、従来の会員小売店への流通額が伸び悩んだことで、国内流通額は0.5%減となった。一方、SD exportは、新たな配送方法として、船便と変わらない料金で利用できる航空便を導入したほか、アジアに特化した化粧品口コミプラットフォーム「COSMERIA」と相互連携したこと等から、海外流通額が前年同期比で63.3%増となった。この結果、EC事業の売上高は16億12百万円(同1.8%増)、セグメント利益2億22百万円(同0.4%減)となった。

 Paid事業は、GMOペイメントゲートウェイが提供する「BtoB EC向け決済パッケージ」等、様々なサービスにPaidが導入された。また、請求を自動化できる新プラン「Paid定額自動請求」の提供を開始した。この結果、売上高4億27百万円(同21.2%増)、セグメント利益27百万円(同36.9%増)と大幅増収増益。

 保証事業は、利用すればするほど利用料金がお得になる新プラン「売上保証」の開始等、様々な取り組みをしたことで、保証残高は回復した。なお、事業用家賃保証サービスおよび16年8月よりサービスを開始した「URIHO」は、引き続き順調に増加した。その結果、売上高は7億20百万円(同8.1%増)、セグメント利益1億68百万円(同51.2%増)と増収大幅増益であった。

 17年3月期はEC事業が増収減益となったが、海外流通額が大幅増となっていることから、今後も事業拡大が期待できる。Paid事業、保証事業は共に大幅増益を達成し、今後の成長も予想される。

 今期18年4月期については、前期の方針を継続し、成長分野と位置づけているPaid事業とEC事業「スーパーデリバリー」に おける越境EC「SD export」、保証事業の「URIHO」に対し、広告宣伝費やシステム 開発費等を集中的に投下する方針。

 18年4月期連結業績予想は、売上高25億50百万円(前期比8.1%増)、営業利益4億90百万円(同16.4%増)、経常利益4億85百万円(17.1%増)、純利益3億円(同17.3%増)と増収2ケタ増益を見込む。

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