【編集長の視点】アイザワ証券Gは3Q純益大幅増益着地で期末の普通配当増配を催促し続伸

■株主還元強化策で配当48円に増配、期末配当増配期待も

 アイザワ証券グループ<8708>(東証プライム)は、前日27日に25円高の1723円と続伸して引け、今年1月17日につけた直近安値1597円からのリバンド幅を拡大させた。同社株は、今年1月23日に今2025年3月期第3四半期(2024年4月~12月期、3Q)業績の速報値を発表し、純利益が、前年同期比2.43倍と大幅続伸し、同じく3Q業績速報値を発表した証券各社のなかでも最も大きな変化率を示したことを手掛かりに、まだ未定としている今期期末の普通配当増配を催促する買い物が増勢となった。ヒストリカル的にも、昨年4月に株式還元策の強化を発表してストップ高した急伸特性の再現が期待されている。

■投信などの受入手数料が増加し有価証券売却益も上乗せ

 同社の今期3Q業績速報値は、営業収益152億1500万円(前年同期比12.9%増)、営業利益13億1500万円(同2.55倍)、経常利益18億4100万円(同66.0%増)、純利益27億6600万円(同2.43倍)と大幅続伸した。地銀や保険会社などと相次ぎ業務委託契約を締結したこともあり、投資信託の募集手数料や信託報酬、ラップ商品の投資顧問報酬などの受入手数料が増加し、昨年10月に発表した10億2900万円の有価証券売却益計上も上乗せとなった。この3Q本決算は、1月30日に発表予定である。なお今3月期通期予想業績は、業績そのものが経済情勢や市場環境の変動の影響を大きく受け、適正に予想することは困難として開示していない。

 配当は、昨年4月に発表した株主還元の強化策で2025年3月期から2028年3月期まで200億円以上の株主還元を実施し、うち100億円は特別配当、100億円は普通配当の増配と自己株式取得と取締役会決議したことに従って、今期中間配当は普通配当13円と特別配当35円との合計で48円(前年同期実績13円)に増配した。期末配当は、特別配当35円を継続し期末配当はまだ未定としているが、3Qの大幅増益業績からも増配の可能性が観測されている。

■上場来高値から直近安値への調整幅のまず3分の1戻し目指す

 株価は、昨年4月の株主還元の強化策を歓迎してストップ高して上場来高値3060円まで買われて2.3倍化したが、8月に日経平均株価が、過去最大の下落幅となったことなども響いて下値を探り、12月には1597円と大きく調整した。未定としている期末普通配当を除く今期確定配当分83円からも年間配当利回りは4.81%と割り負けている。まず上場来高値から直近安値までの調整幅の3分の1戻しの2000円台回復を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞・株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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