【どう見るこの株】名糖産業は業績再々上方修正・再増配などフルセット材料を手掛かりに押し目買いチャンス

 名糖産業<2207>(東証プライム)は、前日12日に52円安の2000円と反落して引けた。同社株は、休日前の10日後場取引時間中に今2025年3月期第3四半期(2024年4月~12月期、3Q)決算の開示とともに、今期通期業績の再々上方修正と再増配、株主優待制度の拡充、商号(社名)変更などのフルセットの好材料を発表し、昨年来高値2145円まで急伸しており、目先の利益を確定する売り物に押された。ただ、再々上方修正では純利益が、18年ぶりに過去最高を大幅に更新し、再増配では、来期・来々期配当の上方修正・連続増配も予定するなどバリュー株妙味は増幅しており、押し目は買いチャンスとなりそうだ。

■18年ぶりに過去最高純利益を大幅更新し来期・来々期配当も連続増配

 同社の今3月期業績は、昨年7月にC&Fロジホールディングスへの株式公開買い付け(TOB)への応募による有価証券売却益計上で通期純利益を更新し、11月には食品事業の原材料価格高騰対応の価格改定や内容量変更、化成品事業の薬品部門の乳癌転移検出用医療機器向け「デキスロランマグネタイト」の需要拡大などで利益を再上方修正した。今回は、化成品事業で利益率の高い製品の売り上げ増や食品事業の値上・内容量変更などが11月に再上方修正した利益をさらに1億5000万円~2億5000万円押し上げ、再々上方修正した。売り上げは280億円(前期比14.8%増)、営業利益は13億5000万円(同5.81倍)、経常利益は26億5000万円(同85.3%増)と大幅続伸し、純利益は、46億5000万円(前期は7億300万円の赤字)と前期に計上した減損損失をカバーして大幅黒字転換し、2007年3月期の過去最高(26億1000万円)を18年ぶりに大幅に更新する。

 配当は、昨年8月に期初予想の年間30円(前期実績28円)を33円に引き上げ、今回はさらに35円へ再増配を予定している。株主優待制度では、9月末現在で100株以上を保有にする株主に贈呈するグループ商品の詰め合わせを1500円相当から2000円相当に引き上げるなど拡充する。また中期経営計画の配当方針として配当も上方修正し、2026年3月期配当は38円から40円、2027年3月期配当は43円から45円にそれぞれ再増配を予定している。社名変更は、食品事業に加え世界屈指の化成品メーカーとしてグローバル展開している同社の業容にマッチさせ国内外への発展を目指すために今年9月1日に新商号を「株式会社meito」とする。

■早期にスピード調整を終了しPER7倍、PBR0.6倍の修正に再発進

 株価は、TOB応募による昨年7月の今期業績の上方修正で2117円高値をつけ、同8月に日経平均株価が過去最大の下落幅となる波乱相場に巻き込まれて1750円安値へ調整し、その後の今期配当の増配や今期業績の上方修正などで1994円までリバウンドするなど下値固めでエネルギーを貯め込み、今回の業績再々上方修正・再増配で昨年来高値2145円へ上値を伸ばした。足元では急伸後のスピード調整となっているが、PERは7.2倍、PBRは0.64倍となお割安である。早期のスピード調整一巡から再発進し、昨年来高値を奪回し上値チャレンジが続こう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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