マルマエが第2四半期累計(中間期)の業績予想を大幅に増額修正、4月には超高純度アルミ企業を子会社化

■半導体分野で消耗品の在庫好転、営業利益は前回予想を34%上回る見込みに

 マルマエ<6264>(東証プライム)は3月4日午後3時30分に今8月期・第2四半期の業績予想(2024年9月~25年2月・累計、中間期)の増額修正と、半導体スパッタリングターゲット用超高純度アルミニウム製品の製造などを行うKMアルミニウム株式会社(福岡県大牟田市、KMAC社)の株式取得(子会社化)について発表した。

 25年8月期・第2四半期累計期間(中間期)の業績見通しは、半導体分野で懸案だった消耗品の過剰在庫に解消傾向が出てきたことで、当初の想定以上に受注が好調であったことから、売上高を24年10月に開示した前回予想に対し6.7%上回る38億96百万円(前年同期比9.1%増)の見込みに見直した。

 利益面では、変動費の比率が低い消耗品受注が増えたことで、当初想定よりも材料費と外注費が低くとどまること、また、稼働率の改善により受注損失引当金等の減少があったことなどから、営業利益は同34.3%上回る9億40百万円(前年同期は78百万円の損失)の見込みに、純利益は同39.4%上回る6億44百万円の見込み(同1億01百万円の損失)に見直した。

■超高純度アルミ製品などのKMアルミニウム(福岡県大牟田市)を子会社に

 また、マルマエは、主に半導体スパッタリングターゲット用の超高純度アルミニウム製品やアルミ電解コンデンサー用の高純度アルミニウム製品、低圧鋳造鋳物製品、アルマイト製品、鍛造材等の製造・販売を行っているKMアルミニウム株式会社(福岡県大牟田市、KMAC社)の株式を100%取得し子会社化することも発表した。株式譲渡実行日は25年4月8日(予定)。取得価額(概算額)は90億90百万円。これにより、25年8月期・第3四半期より連結決算を開示する見込み。

■マルマエの半導体分野と親和性が高く、共に成長する関係構築に最適

 マルマエは、事業セグメントとして半導体分野、FPD分野、その他分野を展開し、現在は特に半導体分野での成長を目指している。また、現在進めている中期事業計画において、半導体製造装置用の消耗品を伸ばす戦略を掲げている。ただ、先端分野装置部品の受注獲得では一定の成果が出せている一方、レガシー半導体製造装置部品については、チェンジコントロール(CC)やコピーイグザクトリイ(CE)等の業界ルールもあり、先駆企業のシェアを崩せずにいる状況だった。
 
 今般、株式取得するKMAC社は、超高純度アルミニウム製品は、純度99.99%以上の地金やスクラップを自社で溶解等を行い、顧客の要求する純度(99.999%以上)に精製した上で鋳造し販売している。アルミニウムの精製には高度な技術が必要で、KMAC社は高度な精製技術を保有し、それが高い世界シェアにつながっている。また、アルミニウムの半導体用スパッタリングターゲットは、レガシー半導体の製造にも多く使用されることから、マルマエの半導体分野の戦略である消耗品の拡充とレガシー分野の補完の双方を両立できることとなる。

 さらに、KMAC社の低圧鋳造鋳物製品は、半導体製造エッチング装置の搬送系及びプロセスチャンバーに使用され、高いシェアを保持している。アルマイト製品も、主に半導体製造のエッチング装置部品に使用される表面処理(特殊硬質アルマイト)になる。KMAC社の特殊硬質アルマイトは、エッチング装置の消耗品等に多く使用されて顧客評価も高いことから、KMAC社の生産能力を上げることで高い成長性が見込まれる。鍛造材については、主に上記アルマイト製品の母材(製品加工及びアルマイト処理前素材)として使用され、長寿命を実現する他、半導体CVD工程では表面処理をせずとも高い耐食性を示すことから、顧客のコスト低減に寄与している。

 これらのように、KMAC社の事業はマルマエの半導体分野と親和性が高く、共に成長する関係を築けるものと考えて株式の取得を行う事とした。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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