【美容室の倒産が過去最多を更新】経営を圧迫する「三重苦」、人手不足やコスト増と競争激化が直撃

■2024年度の美容室倒産件数、前年を大幅に上回る197件

 帝国データバンクの調査によると、2024年度の美容室倒産件数が2月までに197件に達し、前年の累計182件を超えて過去最多を更新した。倒産件数は前年同期比で2割超増加し、美容業界の経営環境が一層厳しくなっている。背景には、人手不足や美容資材・光熱費の高騰、さらに競争の激化という「三重苦」があり、特に円安の影響でシャンプーやヘアケア用品の価格が上昇。美容師の確保も難しく、人件費の負担増が経営を圧迫している。

 さらに、新規開業が相次ぎ、価格競争も激しさを増している。消費者の節約志向が強まり、高単価メニューの需要が減少。都市部では割引クーポンを活用した集客が一般化し、カット料金の値上げは難航している。2024年度の美容室の業績は約3割が赤字経営となり、減益を含む業績悪化の割合は6割に達した。コロナ禍以来の厳しい経営環境が続いている。

 このような状況の中で、眉毛サロンやヘッドスパといった新サービスの導入により、リピーター獲得を目指す動きが広がっている。今後の美容室経営には、プレミアムサービスの提供など価格戦略の見直しや、顧客データを活用したマーケティングによる差別化が求められる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国内唯一のブラシ式除雪車が北海道の主要空港で戦力化  加藤製作所<6390>(東証プライム)は1…
  2. ■日本発ロボ産業基盤づくりへ、住友重機・ルネサス・JAEが参画  一般社団法人京都ヒューマノイドア…
  3. ■2025年のパン屋倒産が急減、SNS発信とインバウンドが追い風  帝国データバンクは11月29日…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■漢字が示す社会不安と物価問題、関連株に広がる待ち伏せ投資の妙味  2025年の世相を映す「今年の…
  2. ■AI相場と政策転換が映す日本株の行方、6万円挑戦か調整か  2025年、日経平均株価は史上最高値…
  3. ■「大きく産んで小さく育てる」IPO市場、期待裏切る後半戦  48勝2分10敗である。2025年の…
  4. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  5. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  6. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る