【業績でみる株価】弁護士ドットコムは法律相談のサイト運営好調、収益は劇的な向上へ

業績で見る株価

■株価は当面、割高水準を訂正する動き

弁護士ドットコム<6027>(東マ・売買単位100株)は、12月11日に東証マザーズに新規公開したが、当初は目先の業績が急拡大することを材料にして人気沸騰。が、その後、売られた。調整が長期化する様相を呈している。

同社はネットで一般の人が弁護士を検索したり、法律相談が出来る「弁護士ドットコム」を運営している。年々、訴訟問題は増加傾向をたどっているが、一般人が弁護士を探すのは容易でない。その反面、弁護士は顧客の獲得が大変という。そこで、このサイトに弁護士が登録し、法律相談を求めている一般人を獲得できるようにした。つまり弁護士と相談したい一般人と弁護士を結びつけることを目的にしている。現在、日本には約3万5000人の弁護士がいるが、このうち、約7000人がこのサイトに登録している。月間2万~3万円を支払って有料会員になれば弁護士はプロファイルなどを掲載し自己PRが可能となる。一口に弁護士と言っても、それぞれ得意分野(相続、交通事故、不動産など物件、刑事事件など)があり、それを掲載することで、顧客の獲得に威力を発揮できることになる。このため、今後とも弁護士の登録者数は増加するものと予想される。

一方、一般の相談者は無料で利用できるものの、スマートフォンで利用したい人は月額300円が必要だ。同社はこうした弁護士と相談人からの課金収入を収益源としているが、この収入がうなぎ登りに拡大。このため、2015年3月期の業績は売上高6億7000万円(前期比2.3倍)、経常利益1億5000万円(同10倍)、当期純利益1億円(同7.8倍)と物凄い、増収増益率を見込んでいる。現時点ではどのぐらいの増収増益率になるのかは定かではないが、この勢いは来期以降も続くものとみられる。

とはいっても、問題は絶対的な収益水準はそれほど高くない点だ。変化率は高いが、今期の予想一株当たり利益は15.2円にとどまる見込みだ。しかも配当は今期無配である。

株価は業績の変化率と将来性を高く評価して、12月15日に4120円の高値を示現した。この時点のPERは270倍となる。さすがに買われ過ぎのきらいがあり、その後、売り先行の展開となって17日には3000円へ下落。現在も3100円前後での動きとなっているが、それでもPERは200倍台と超割高の水準にある。当面は売り圧力の強い展開が予想される。新規投資を考えている投資家は底値を確認してからの方が良いと思う。

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