【業績でみる株価】GMO TECHはスマホ広告市場の拡大で成長、14年12月期2ケタ増収増益、株価当面は高PERの調整

業績で見る株価

GMO TECH<6026>(東マ・売買単位100株)は、スマートフォンアフィリエイトASP事業が大きく伸び、業績は絶好調。ネット関連ビジネスの将来性が高評価され、株価は急騰。しかし、明らかに行き過ぎの感が強く、目先的には軟調な動きを強いられる見られる。

同社はスマートフォンアフィリエイトASP事業、SEO(検索エンジンマーケティング)対策とリスティング広告の運用代行を中心としたインターネット集客事業を主体としている。この事業が市場の拡大とともに急速に伸び、同社の業績は2012年12月期から拡大。ちなみに12年度の売上高は10億円台(2011年度は5億円弱)に乗せ、経常利益は1億2500万円(同6800万円)、当期純利益は7300万円(同3900万円)、一株当たり利益73円(同40円弱)と一気に高収益会社に変貌を遂げた。その後も成長路線をたどり、2014年12月期は売上高29億9300万円(前期比26.3%増)、経常利益2億800万円(同13%増)、当期純利益1億2600万円(同10.5%増)、一株当たり利益125円(前期114円)を最低確保する見込みである。増額修正もあり得るのではないかと考えられる。

さらに上場によって得た資金で、広告取引の増加に対処するためにGMDSmaADシステム更新の投資やアドテクノロジーの機能追加による投資などに充当する予定で、これによって同社の事業展開力はますます弾みが付くことになる。このため、来期以降も業績は2ケタ台での成長が充分に期待できよう。

一方、株式市場では「ネット関連ビジネス」に対する関心が高く、同社株はその関連銘柄として上場当初、物凄い人気となった。公募価格5800円に対して12月11日に1万5900円まで買われたのだ。この時点のPERは127倍弱。いくら高成長が期待できるとしても、買われ過ぎの感が強い。つれて、利食い売りが台頭し12月19日には6900円と高値から約6割値を下げた。ここまで下げてもPERは55倍と、依然として決して割安とは言えない水準である。また信用買い残高が7万5300株あることも上値を圧迫する要因とした懸念される。このため株価は当面、軟調な動きを続けそうだ。仮に戻す局面があったら、売り先行の姿勢が賢明だと思う。新規投資はさらに下落した局面で買うべきだろう。

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