ヤマシタヘルスケアホールディングスは25年5月期3Q累計営業・経常減益だが進捗率高水準

 ヤマシタヘルスケアホールディングス<9265>(東証スタンダード)は、3月31日に25年5月期第3四半期累計連結業績を発表した。人件費の増加などで営業・経常減益だったが、売上面は主力の医療機器販売が好調に推移した。通勤減益予想を据え置いたが、第3四半期累計の利益進捗率が高水準だったことを勘案すれば、通期予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は高値更新の展開だ。1倍割れの低PBRも支援材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■25年5月期3Q累計営業・経常減益だが進捗率高水準で通期上振れ余地

 25年5月期第3四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比4.8%増の475億52百万円、営業利益が13.9%減の7億14百万円、経常利益が12.8%減の7億59百万円、親会社株主帰属四半期純利益が4.3%増の4億61百万円だった。

 人件費の増加などで営業・経常減益だったが、売上面は主力の医療機器販売が好調に推移した。営業利益1億16百万円減少の要因分析は、減益要因として人件費・教育研修費等関連費用の増加で2億67百万円減少、発送運賃・研究開発費等の増加で1億12百万円減少、増益要因として修繕費・支払手数料・その他の減少で25百万円増加、売上総利益の増加で2億38百万円増加だった。

 医療機器販売業は売上高が4.8%増の475億46百万円、営業利益(全社費用等調整前)が3.3%減の16億15百万円だった。売上高の内訳は、一般機器分野(一般医療機器備品、放射線診断装置等)が5.5%増の67億34百万円、一般消耗品分野(半用消耗品、手術関連消耗品等)が4.0%増の192億26百万円、低侵襲治療分野(内視鏡・サージカル備品等)が1.1%増の108億10百万円、専門分野(眼科、整形外科透析等)が9.7%増の95億49百万円、情報・サービス分野(電子カルテシステム、設備保守メンテナンス等)が12.6%増の12億25百万円だった。放射線機器等の設備投資需要増加、検査・手術件数増加に伴う診察材料等の医療機器消耗品の需要増加に加え、23年12月に子会社化した鹿児島オルソ・メディカルの連結も寄与した。

 医療機器製造・販売業(整形外科用インプラント製造・販売、超音波を用いた医療用機器の開発・販売等)は、売上高が19.1%減の1億69百万円で、営業利益が1億14百万円の損失(前年同期は2百万円)だった。医療モール事業(賃料収入)は売上高が4.8%増の53百万円で、営業利益が59.3%増の1百万円だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が151億83百万円で営業利益が1億78百万円、第2四半期は売上高が161億79百万円で営業利益が3億44百万円、第3四半期は売上高が161億90百万円で営業利益が1億92百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が24年5月期比9.4%増の673億19百万円、営業利益が20.2%減の7億71百万円、経常利益が19.5%減の8億21百万円、親会社株主帰属当期純利益が12.2%減の5億09百万円としている。配当予想は24年5月期比9円減配の61円(期末一括)としている。予想配当性向は29.8%となる。

 需要が堅調に推移して増収だが、人的資本経営の強化に伴う人件費増加などで各利益は減益予想としている。ただし第3四半期累計の進捗率は売上高が71%、営業利益が93%、経常利益が92%、親会社株主帰属当期純利益が91%だった。利益進捗率が高水準だったことを勘案すれば、通期予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は高値更新の展開だ。1倍割れの低PBRも支援材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。3月31日の終値は2987円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS204円47銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の61円で算出)は約2.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3429円08銭で算出)は約0.9倍、そして時価総額は約76億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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