クリーク・アンド・リバー社は22年2月期2Q累計大幅増収増益、通期は再上振れの可能性

(決算速報)
クリーク・アンド・リバー社<4763>(東1)は10月7日の取引時間終了後に22年2月期第2四半期累計連結業績を発表した。日本クリエイティブ分野の好調が牽引して計画を上回る大幅増収増益(9月30日に上方修正)だった。高採算案件の増加やDX化による生産性向上なども寄与した。下期に事業投資を実行する見込みだが、通期予想は再上振れの可能性がありそうだ。株価は上場来高値圏だ。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■22年2月期2Q累計大幅増収増益、通期は再上振れの可能性

 22年2月期第2四半期累計の連結業績(9月30日に上方修正)は、売上高が前年同期比14.0%増の210億35百万円、営業利益が48.2%増の21億57百万円、経常利益が47.3%増の21億73百万円、親会社株主帰属四半期純利益が45.4%増の14億06百万円だった。計画を上回る大幅増収増益となり、半期ベースで過去最高だった。

 全セグメントが増収増益と順調だった。特に主力の日本クリエイティブ分野(売上高が16.3%増の144億83百万円、営業利益が59.2%増の13億01百万円)の好調が牽引した。売上面ではTV番組制作やゲーム関連を中心に伸長し、利益面では高採算案件の増加やDX化による生産性向上なども寄与した。医療分野(売上高が13.7%増の26億18百万円、営業利益が24.0%増の8億26百万円)も伸長した。新型コロナ影響で「レジナビFair」の会場開催が困難だったが、オンライン開催に切り換えて開催(配信)回数と参加者が大幅に増加した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高105億99百万円で営業利益12億30百万円、第2四半期は売上高104億36百万円で営業利益9億27百万円だった。

 通期連結業績予想(9月30日に売上高を13億円、営業利益を3億50百万円、経常利益を3億50百万円、親会社株主帰属当期純利益を2億円それぞれ上方修正)は、売上高が21年2月期比10.7%増の413億円、営業利益が30.7%増の32億円、経常利益が28.7%増の32億円、そして親会社株主帰属当期純利益が18.4%増の19億50百万円としている。配当予想は据え置いて21年2月期比1円増配の17円(期末一括)としている。

 日本クリエイティブ分野の好調が牽引して大幅増収増益予想としている。なお下期の利益予想を下方修正した形だが、第2四半期累計の超過分の一部を、クリエイターネットワーク拡大に向けたプロモーション強化など、主に既存事業の伸長を目的とする広告宣伝費等の事業投資(合計約2億円)として実行する見込みとしている。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が50.9%、営業利益が67.4%である。医療分野の収益が上期偏重となる季節特性や、下期の事業投資を考慮しても順調な水準であり、通期予想は再上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。

■株価は上場来高値圏

 株価は上場来高値圏だ。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。10月7日の終値は1893円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS87円48銭で算出)は約22倍、時価総額は約436億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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