旭化成・フルヤ金属など4社、食塩電解用貴金属の循環利用システム実証開始、希少貴金属の安定確保へ

■イリジウム・ルテニウムなど希少金属の循環利用で安定供給体制を構築

 旭化成<3407>(東証プライム)、Nobian、フルヤ金属<7826>(東証プライム)、Mastermeltの4社は4月23日、食塩電解用セル・電極に使用される金属のリサイクルに関する共同実証を開始したと発表。この取り組みでは、Nobianから回収された使用済み電極から、Mastermeltとフルヤ金属が触媒を剥離・加工し、貴金属を抽出・高純度化する。旭化成はその回収金属を使用して新たなリサイクル触媒電極を製造し、Nobianが食塩電解に活用する循環システムを構築する。

 この共同実証は、イリジウム・ルテニウムなど希少な貴金属の安定確保と効率的循環利用を目指すもので、近年の電池・電子部品需要拡大や水素製造技術での需要増加による価格上昇・調達リスクへの対応策となる。旭化成は2023年からNobianとセルのレンタルサービス実証も進めており、今回の取り組みをクロールアルカリ業界全体へ拡大し、トレーサビリティを付与したエコシステム構築を目指している。

 旭化成のイオン交換膜法食塩電解プロセスは1975年の販売開始以来、50年の実績を持ち、全世界30か国・160工場以上で採用されている。この技術は省エネルギーな特性を活かしCO2排出量削減に貢献している。また、フルヤ金属は40年以上にわたりイリジウム・ルテニウムを取り扱う専門企業として、原料調達から超高純度精製、高度加工、リサイクル技術を駆使し、希少金属の安定供給に取り組んでいる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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