NEC、持続可能なデータセンター運用を実現するオープンソースを公開、効率化と省エネを両立するインフラ

■CDIを支える統合管理とマルチベンダー対応の新基盤

 NEC<6701>(東証プライム)は4月28日、次世代データセンター向けに効率的な運用と管理を実現するオープンソースソフトウェア「Composable Disaggregated Infrastructure Manager」(以下、CDIM)を公開したと発表。急速に進展するデジタルトランスフォーメーションの波により、データ量や消費電力の増大が深刻な課題となっている。2030年にはICTが世界の電力消費の20%を占める見込みであり、データセンター運用の効率化と持続可能性が社会的に強く求められている。こうした背景を受け、NECはCDIを活用した柔軟なリソース運用と、持続可能なインフラの実現に注力している。

 CDIMは、従来の複雑なインフラ運用管理を簡素化し、必要なときに必要なリソースを自在に組み合わせる柔軟性を提供する。統合管理機能により、リソースの構成や消費電力、異常の有無を一元的に把握できるほか、Infrastructure as Code(IaC)を用いて構成管理をコード化することで、運用効率と再現性を高めている。また、プラグイン機構によりマルチベンダー環境にも対応し、ベンダーロックインを回避可能とした。リファレンス実装のプラグインやCDIエミュレータも提供しており、導入前の動作検証も行いやすい仕組みとなっている。

 今後、NECはCDIMを基盤とした製品展開を予定しており、特にGPUの利用効率化に向けたソリューション開発を進める考えだ。また、ワークロードの特性に応じた最適なリソース設計を可能にするフレームワークや、OpenStack、Kubernetesなど既存管理ソフトウェアとの連携機能の強化にも取り組む。詳細な開発ロードマップは、GitHubリポジトリにて順次公開予定であり、今後の動向が注目される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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