【マーケットセンサー】米価高騰と備蓄米政策、食料品市場に波紋広がる

■備蓄米放出条件緩和へ、政策転換の見通し

 政府の備蓄米放出が進む中、依然としてコメ価格の上昇が止まらない。14日、埼玉県内の備蓄倉庫を視察した自民党の小野寺五典政調会長は、放出した米の買い戻し義務の緩和に言及し、流通の柔軟化を求めた。物流現場では出庫量の加速が確認され、一定の供給改善が見込まれるものの、価格沈静化には至っていない。こうした動きが、市場や政策のかじ取りに微妙な影響を与えている。

■食料品関連株に新たな動き

 このような背景から、食料品関連株の一部が注目を集めている。価格上昇の恩恵を受けた企業は、株式分割や業績修正といった材料を発表し、株価が急騰したケースも見られた。また、親会社によるTOB(株式公開買い付け)や親子上場の解消といった企業再編の動きも、投資家心理に影響を与えている。4月の混乱を経て5月に入ると、消費税減税を巡る国会論議をにらんで再び買いの動きが台頭してきた。輸入米関連銘柄も含め、物価と政策の両にらみの展開が続いている。

■パン需要拡大の兆し

 消費者の節約志向は、小売現場にも影響を及ぼしている。スーパーマーケットではパンの売り場が空になる光景も増え、相対的に安価な穀類への代替需要が拡大しているとの見方がある。こうした需要動向を背景に、製パンや製粉関連企業にも注目が集まる。穀物価格の高騰と家計防衛の動きが複雑に絡み合い、食品市場と株式市場の連動性が強まる中で、投資家の関心はますます広がっている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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