第一工業製薬、ミズノ新作ゴルフクラブにCNF複合素材採用、セルロースナノファイバーで軽量化と高強度化を実現

■東京大学発ナノ技術、スポーツ分野に広がり

 第一工業製薬<4461>(東証プライム)は6月16日、ミズノ<8022>(東証プライム)が10日に発売したゴルフクラブに、自社製のセルロースナノファイバー(CNF)「レオクリスタ」が初めて採用されたと発表した。「レオクリスタ」は、東京大学の研究を基に同社が製造する高性能CNFで、シャフト部分の軽量化と高強度化を可能にする。ミズノの新製品は、ヘッドスピードが遅めのゴルファーにも適した軽量設計が特徴である。

 このCNFは、幅約3ナノメートルの極細繊維にカルボキシ基を高密度に導入できる点が特長で、分散性や機械特性に優れている。CNFを用いた複合材料は、従来よりも衝撃強度が向上し、快適なスイング性能を実現する。ミズノのドライバーには、CNFとCFRP(炭素繊維強化プラスチック)との複合化技術が用いられた。

 CNFの採用に至る背景には、アドバンスドバイオカーボンコンソーシアムにおける東京大学とミズノの共同研究がある。一般的に相溶性に課題のあるCNFとエポキシ樹脂の複合化において、今回の技術は凝集や異物化の問題を克服し、実用的な分散性を実現した。同社は今後もCNFの実用展開を通じて持続可能な社会づくりを後押ししていくとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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