
■新卒初任給を32万円に引き上げ、中長期的な人材確保強化
アルコニックス<3036>(東証プライム)は7月1日、2025年7月からベースアップと定期昇給を組み合わせた平均5.5%の賃上げを実施すると発表した。これは消費者物価指数(CPI)の上昇率3.5%を上回るもので、実質的な給与改善となる。また、2026年4月入社の新卒初任給についても、前年から4.9%引き上げ32万円とする。これらは同社の人的資本経営「3つの『K』」(給与・教育・機会)の方針に基づく施策である。
同社は日本が「人材希少社会」となる将来を見据え、持続的な企業成長と人材確保の両立を図る。2025年5月に公表した長期経営計画「2030」では、人的資本経営をマテリアリティ(経営の重要課題)として掲げており、今後も継続的に賃金や待遇の改善を進めていく方針を示している。また、管理職層に対しては夏季賞与に加え、特別賞与20万円の一律支給も行う。
加えて、従業員のウェル・ビーイングやキャリア形成支援など、多岐にわたる施策が展開されている。たとえば、奨励金付きの株式報酬制度、ダイバーシティ推進のための柔軟な両立支援制度、キャリア自己申告制度などがあり、グループ全体で働きがいのある職場づくりに注力している。アルコニックスは非鉄金属の総合ソリューションプロバイダーとして、未来志向の経営と人材投資を両立させる姿勢を強めている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)