日本エンタープライズ、金融領域への業務支援拡大など、新規サービスで収益基盤を強化

 日本エンタープライズ<4829>(東証スタンダード)は、コンテンツサービスやビジネスサポートサービス等のクリエーション事業、およびシステム開発サービスや業務支援サービス等のソリューション事業を展開している。25年6月には子会社のダイブが金融領域の業務支援サービスを開始した。25年5月期は減益予想だが、積極的な事業展開で26年5月期の収益回復を期待したい。株価は上値が重く戻り高値圏から反落の形となったが、一方では大きく下押す動きも見られない。調整一巡して出直りを期待したい。なお7月11日に25年5月期決算発表を予定している。

■クリエーション事業およびソリューション事業を展開

 同社はコンシューマ向けコンテンツプロバイダを起点に法人向けソリューションへと事業領域を拡大し、現在はコンテンツサービスやビジネスサポートサービス等のクリエーション事業、およびシステム開発サービスや業務支援サービス等のソリューション事業を展開している。

 24年5月期のセグメント別売上高構成比は、クリエーション事業が38%(コンテンツサービスが20%、ビジネスサポートサービスが17%、再生可能エネルギーが1%)で、ソリューション事業が62%(システム開発サービスが48%、業務支援サービスが12%、その他サービスが3%)だった。営業利益構成比(全社費用等調整前)はクリエーション事業が55%、ソリューション事業が45%だった。

 クリエーション事業のコンテンツサービスの24年5月期の売上高構成比はエンターテインメントが49%、ライフスタイルが51%、ビジネスサポートサービスの売上高構成比はキッティング支援が38%、交通情報が25%、コミュニケーションが20%、EC・ASPサービス等が17%だった。

■クリエーション事業は自社IPを活用したサービスを提供

 クリエーション事業は、BtoCのコンテンツサービス(ゲーム・総合電子書籍等のエンターテインメント関連、ATIS交通情報や女性のリズム手帳等のライフスタイル関連などの一般消費者向けスマートフォンコンテンツサービスなど)、BtoBのビジネスサポートサービス(キッティング支援、交通情報、IP・PBXコミュニケーションシステム、10種類以上の入札方式を有する調達業務支援サービス、飲食事業者向けECサイト「いなせり」等のEC・ASPサービスなどの法人向け支援サービス)、BtoBの再生可能エネルギー(電力見える化サービス、山口県における太陽光発電など)で構成されている。

 成長戦略として、自社IPを活用したサービス提供を通じて、新しいライフスタイルやビジネススタイルの創造を推進している。

 24年3月には、丸紅ネットワークソリューションズおよびパルコデジタルマーケティングと開発した「AI画像解析による駐車場出庫時間表示サービス」が、イオンモール広島具中に導入された。駐車場内の状況を画像解析し、混雑時の出庫時間の分散化を促すソリューションである。24年8月には、官公庁・国公立私立大学・公共企業等に導入実績のある調達業務支援サービス「Profair」において、新たな入札方式として最低価格落札方式を導入した。提示価格を非公開とすることで過剰な競争を避け、より適正な市場価格での取引を目指す。

 24年9月にはNTTドコモのスマートフォン向けサービス「スゴ得コンテンツ」において、AI英会話サービス「Speak Lab スゴ得」の提供を開始した。また広域集客型商業施設「エミテラス所沢」において、独自開発のデフォルメマップによるATIS交通情報の提供を開始した。24年10月には中京テレビ放送に対して独自開発のデフォルメマップによるATIS交通情報サービスの提供を開始した。民法で活用されるのは初となる。24年11月には琉球放送(RBC)に対してATISの提供を開始、24年12月にはトヨタ自動車東京本社に対してATISの提供を開始した。

 25年1月にはラジオ沖縄に対してATISの提供を開始した。25年2月にはトヨタ自動車と、トヨタ自動車が保有するプローブ情報の利用に関するデータ利用許諾契約を締結した。これまで網羅できなかった道路情報を収集し、より実用性の高い情報の提供を目指す。25年3月にはNTTドコモのスマートフォン向けサービス「スゴ得コンテンツ」において、多彩なゲームがパックになったコンテンツ「SPゲームパックforスゴ得」の提供を開始した。

 25年4月にはエネルギーマネジメントシステム(EMS)の開発に取り組む子会社の会津ラボが、会津若松市の庁舎をはじめとした複数施設へ「電力見える化システム」を提供した。25年5月にはNTTドコモへ「スゴ得コンテンツ」契約者増加の支援策を実施、NTTドコモへ「イエナカ事業」の業務支援を開始、KDDIの「Pontaパス」継続利用促進のための支援策を開始した。

■ソリューション事業はシステム開発や業務支援サービスを提供

 ソリューション事業は、BtoBのシステム開発サービス(システム受託開発・保守・運用などのITソリューションサービス)、BtoBの業務支援サービス(高度人材による上流工程の常駐型支援サービス)、BtoBのその他サービス(中古端末買取販売サービス、ガラスコーティング剤販売など)で構成されている。クリエーション事業で培ったノウハウを活かし、ITソリューションを通じて顧客ビジネスに新しい価値を提供する。

 24年10月には企業の調達業務を支援する新たなオープン型サービス「日本オープンマーケット」の提供を開始した。25年6月には、高度人材に特化した業務支援サービスを展開する子会社のダイブが、NTTドコモにおいて金融システムリスク管理業務の支援を開始し、金融領域の業務支援サービスを開始した。

■25年5月期減益予想、26年5月期収益回復期待

 25年5月期の連結業績予想(25年4月11日付で下方修正)は、売上高が前期比4.0%減の45億10百万円、営業利益が75.4%減の65百万円、経常利益が69.5%減の85百万円、親会社株主帰属当期純利益が92.8%減の15百万円としている。配当予想は前期と同額の3円(期末一括)としている。

 前回予想(24年7月12日付の期初計画値、売上高53億10百万円、営業利益2億95百万円、経常利益3億円、親会社株主帰属当期純利益1億85百万円)に対して、売上高を8億円、営業利益を2億30百万円、経常利益を2億15百万円、親会社株主帰属当期純利益を1億70百万円、それぞれ下方修正した。キッティング支援の代行サービスの回復遅れ、新ツールの販路開拓の遅れなどにより売上高が計画を下回り、定額制コンテンツ運営管理費や人件費の増加なども影響する見込みだ。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比5.3%減の32億63百万円、営業利益が81.9%減の35百万円、経常利益が75.3%減の52百万円、親会社株主帰属四半期純利益が99.8%減の0百万円だった。減収・大幅減益だった。法人向けビジネスサポートサービスやシステム開発サービスの回復遅れのほか、定額制コンテンツ運営管理費や人件費の増加なども影響した。

 クリエーション事業(一般消費者向けコンテンツサービス、法人向けビジネスサポートサービス等)は、売上高が0.5%増の12億95百万円、営業利益(全社費用等調整前)が19.8%減の2億76百万円だった。売上高の内訳はコンテンツサービスが9.5%増の7億59百万円、ビジネスサポートサービスが11.2%減の4億91百万円、再生可能エネルギーが4.6%増の43百万円だった。一般消費者向けコンテンツサービスは通信キャリアの定額制コンテンツの販促強化や新タイトル投入などの効果で増収だった。ビジネスサポートサービスは交通情報やキッティング支援のツール販売が増加したが、キッティング支援の代行サービスなどが減少した。

 ソリューション事業(法人向けシステム受託開発・運用等)は、売上高が8.7%減の19億67百万円、営業利益が30.0%減の1億98百万円だった。売上高の内訳はシステム開発サービスが14.0%減の14億27百万円、業務支援サービスが22.6%増の4億86百万円、その他サービスが46.1%減の53百万円だった。人手不足問題にマッチした業務支援サービスが増収だったが、システム開発サービスの受託開発の回復が遅れた。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が10億69百万円で営業利益が1百万円、第2四半期は売上高が10億85百万円で営業利益が11百万円、第3四半期は売上高が11億09百万円で営業利益が23百万円だった。

 25年5月期は下方修正して減益予想となったが、今後の展開として、クリエーション事業ではコンテンツサービスの会員獲得強化に向けた広告宣伝投資、ビジネスサポートサービスのキッティング支援拡充(販売、代行)と新ツール販路開拓、ソリューション事業ではシステム開発サービスの既存顧客深耕と新規顧客獲得を推進する。積極的な事業展開で26年5月期の収益回復を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は上値が重く戻り高値圏から反落の形となったが、一方では大きく下押す動きも見られない。調整一巡して出直りを期待したい。7月7日の終値は115円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS39銭で算出)は約295倍、前期推定配当利回り(会社予想の3円で算出)は約2.6%、前々期実績連結PBR(前々期実績連結BPS127円61銭で算出)は約0.9倍、そして時価総額は約44億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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