【どう見るこの株】Sapeet、戦略投資で一時的に利益を下方修正も、中長期的な成長に期待

■AIソリューション事業が好調、新規プロダクト開発が成長を後押し

 Sapeet<269A>(東証グロース)は、12日に今2025年9月期第3四半期(2024年10月~2025年6月期、3Q)決算とともに、今9月期通期業績の下方修正を発表し黒字転換幅が縮小するのを嫌い目先の利益を確定する売り物が優勢となっていた。ただ下げ幅をやや縮小し、通期売り上げが上方修正されたことや、利益は下方修正されたもののこの要因となったAI(人工知能)関連の戦略投資を前向きに評価する突っ込み買いも交錯している。テクニカル的にも今期第2四半期(2024年10月~2025年3月期、2Q)累計業績の黒字転換着地で3695円の戻り高値をつける過程で25日移動平均線が75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現し、前日の急落ではこの75日線を下に突き抜けたが、取引時間中の高値では上ヒゲで75日線にタッチしており、なお上昇トレンド転換継続の余地があるとしてフォローの材料視されている。

■年平均44%成長のAIエージェント市場にコミットし利益最大化を目指す

 同社の今9月期業績は、売り上げが期初予想よりレンジ予想で3600万円~7600万円上方修正される一方、営業利益は5000万円~1000万円、経常利益は4700万円~700万円、純利益は4700万円~700万円それぞれ引き下げられた。売り上げは9億6000万円~10億円(前期比51.4%増~57.7%増)と連続増収幅を伸ばすが、営業利益は3000万円~7000万円(前期は1900万円の赤字)、経常利益は2000万円~6000万円(同2800万円の赤字)、純利益は1900万円~5900万円(同2900万円の赤字)と黒字転換幅を縮小させる。

 売り上げは、AIソリューション事業の売り上げが既存取引との継続的な取り組みの拡大や新規案件の獲得で4億210万円(同2.1倍)と続伸して連続増収となるが、利益は、AIソリューション事業でのAIエージェントの開発、AIプロダクト事業の新規プロダクト(カルティクラウド)の創出などの戦略投資を推進する影響を受け下ぶれた。同社では、世界のAIエージェント市場は、2024年の51億ドルから2030年の471億ドルまで年平均成長率が44・8%で推移すると予測されており、これにコミットする戦略投資を実行することで中長期的な利益最大化を目指すとしている。

■正念場の75日線で踏み止まり急騰特性を発揮してリターン・リバーサルも

 株価は、今年4月のトランプ関税による世界同時株安時に上場来安値1830円に突っ込んだが、2024年10月の新規株式公開(IPO)時の初値2285円を下抜き下げ過ぎとして底上げし、今期2Qの黒字転換業績で3000円大台を回復し、相次ぐ新規プロダクトの開発・販売で3695円の戻り高値まで上値を伸ばし、25日線が75日線を上抜くGCを示現して上昇トレンド転換を示唆した。業績下方修正でこの75日線を下抜いたが、突っ込み買いも交錯して上ヒゲながら75日線にタッチする場面もあった。IPO以来のAI関連の急騰特性を内包しており、正念場の75日線水準で踏み止まり、大きく下げた株ほど大きく戻るとされるリターン・リバーサル展開も期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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