
■PDF SpacesとAIアシスタントで知識活用を再定義
アドビ(NASDAQ)は8月20日、AIを搭載した新たなプラットフォーム「Acrobat Studio」を発表した。Acrobat Studioは、Adobe Acrobat、Adobe Express、AIエージェントを統合したもので、ユーザーが直感的に文書作成や情報整理、コンテンツ制作を行い、迅速にインサイトを得ることを可能にする。特に「PDF Spaces」機能は、PDFやwebサイトを共有可能な対話型ナレッジハブへと変換し、カスタマイズ可能なAIアシスタントを通じて情報を検索・要約・提案できる環境を提供する。アドビは、PDFを単なる静的なファイルから、動的で知識獲得に活用できる次世代のプラットフォームへと進化させることを目指している。
Acrobat Studioは、既存のPDF編集や電子署名、スキャン、契約業務支援に加え、スキャン文書をAIで要約する機能も統合した。さらにAdobe Expressのプレミアム機能を活用し、テンプレートやブランドキット、Adobe Fireflyによる画像・映像生成を通じて、プレゼンテーションやSNS投稿など多様なコンテンツ制作をシームレスに行える。エンタープライズレベルのセキュリティも備えており、透明性やデータ保護を重視した設計となっている。営業・財務・法務など部門ごとのニーズに応じ、AIアシスタントが要約や提案を生成し、業務効率化を支援する仕組みを整えている。
同サービスは世界各国で英語版の提供を開始し、14日間の無料トライアルを設けた。価格は個人向けが月額24.99ドル、チーム向けが月額29.99ドルからとなる。PDFが1993年の発明以来、世界で3兆以上流通する標準フォーマットに成長したことを踏まえ、アドビはAIとクリエイティブ技術を融合させたAcrobat Studioを通じ、ドキュメント生産性と創造性の新たな基盤を打ち出す方針である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)