【株式市場特集】一寸先の不確実性は金価格関連株と証券株で「光」期待のアプローチも一法

■金先物関連株、最高値更新で安全資産需要が強まる

 日本取引所グループ<8697>は9月24日、今3月期業績の上方修正と増配を発表した。背景には日経平均株価の最高値追いに伴う売買代金の増加があり、証券株全体の業績拡大期待が高まっている。一方、ニューヨーク金先物価格は9月22日に1トロオンス=3883.2ドルと最高値を更新し、FRBの利下げや地政学リスクを受けて安全資産需要が強まった。投資家は金関連株と証券株を「一寸先は光」のディフェンシブ銘柄として注視している。

■主軸の産金株に加えてリデュース株、リユース株にも再出番

 金先物価格関連の主軸は、産金株となる。前週末26日は銅先物価格急騰で年初来高値をつけた反動で大幅反落したが、世界最高品位の菱刈鉱山で産金活動を行っている住友金属鉱山<5713>(東証プライム)を中心に、三井金属<5706>(東証プライム)、三菱マテリアル<5711>(東証プライム)、DOWAホールディングス<5714>(東証プライム)の再浮上が有力となる。また貴金属回収のリデュース株では、中外鉱業<1491>(東証スタンダード)、JX金属<5016>(東証プライム)、(アサカ理研<5724>(東証スタンダード)、AREホールディングス<5857>(東証プライム)、松田産業<7456>(東証プライム)などが関連人気を再燃させよう。

 貴金属買い取り・再販のリユース株では、ハードオフコーポレーション<2674>(東証プライム)、コメ兵ホールディングス<2780>(東証スタンダード)、ゲオホールディングス<2681>(東証プライム)、トレジャー・ファクトリー<3093>(東証プライム)、買取王国<3181>(東証スタンダード)、BuySell Technologies<7685>(東証グロース)などが幅広く関連株となり、ネット関連のマーケットエンタープライズ<3135>(東証プライム)やメルカリ<4385>(東証プライム)も外せない。

■中間配当の高配当利回り買いは終了も次は決算速報発表イベント

 証券株は、主力事業が経済情勢や相場環境の影響を受け不確実性があるため業績ガイダンスを記載せず予想PERの算出は不可能で割安・割高の判定は不可能である。ただ配当利回りは、揃って東証プライム市場の高配当利回りランキングの上位を占めている。しかもこの高配当利回りは、期末の普通配当は未定としながら、中間配当に記念配当・特別配当を加えた確定配当だけで算出されているケースが多く、期末の普通配当が確定した段階ではさらに利回りがアップする可能性もある。前週末26日は、中間配当の権利取り最終売買日で大和証券グループ本社<8601>(東証プライム)と野村ホールディングス<8604>(東証プライム)の大手2社と東海東京フィナンシャル・ホールディングス<8616>(東証プライム)、岩井コスモホールディングス<8707>(東証プライム)が年初来高値を更新した。さらに準大手・中堅証券では、決算発表に先立つ10日から半月前に決算速報を発表しており、中間決算の速報値が10月中旬にも相次ぐ決算イベントがあり、これがカタリスト(株価材料)となり好実態が見直される展開も想定される。

 年間配当利回りが8.97%と計算されてトップとなる東洋証券<8614>(東証プライム)以下、配当利回りが5%~6%で肩を並べる極東証券<8706>(東証プライム)、東海東京フィナンシャル・グループ、アイザワ証券グループ<8708>(東証プライム)、丸三証券<8613>(東証プライム)、松井証券<8628>(東証プライム)、岩井コスモホールディングス、水戸証券<8622>(東証プライム)などからマークするところだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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