TACの第3四半期は各利益とも黒字に転換、社会人講座など回復続き法人研修も主力の金融・不動産分野が好調

(決算速報)

■「リスキリング」映す『教育訓練給付制度』は建築士や社労士が増加

 資格取得支援事業の大手TAC<4319>(東証スタンダード)が2月6日の夕方に発表した第3四半期決算(2024年4~12月・累計/連結)は、前受金調整後の発生ベース売上高が前年同期比0.5%増の144億35百万円となり、各利益は黒字に転換し、営業利益は4億39百万円(前年同期は3億21百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2億88百万円(同期2億36百万円の損失)となった。

 個人教育事業では、社会人を主な受講生層とする講座を中心に回復傾向が継続した。法人研修事業では、大学内セミナーや委託訓練などが前年の売上高を下回ったが、主力の金融・不動産分野が好調に推移した他、情報・国際分野も好調に推移した。

 また、「学び直し」「リスキリング」の動向を映し出すとされる『教育訓練給付制度』の利用状況は、利用者数が前年同期比4.1%増加し、売上高も同7.8%増加した。利用者数は宅地建物取引士で4.0%増加し、建築士は59.0%増加、社会保険労務士は10.1%増加。一方、簿記検定は18.4%減、税理士も7.6%減、中小企業診断士は25.5%減だった。

 通期(25年3月期)の連結業績予想は、全体に前回予想を据え置き、売上高は192億20百万円(前期比1.1%増)、営業利益は2億70百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1億50百万円を継続した。公認会計士や税理士などの本試験が春から秋(第1~第3四半期)に実施されることや、公務員講座などの申し込みは春から夏(第1~第2四半期)に集中するなどの「季節性」がある。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る