アイ・ピー・エス、フィリピンBCDAと通信インフラで基本合意、ルソン島東西を結ぶ光ファイバー網構築へ

■BCDAのルソン・バイパス・インフラ活用で通信迂回ルート整備

 アイ・ピー・エス<4390>(東証プライム)は9月30日、連結子会社のInfiniVANを通じ、フィリピン基地転換開発公社(BCDA)とフィリピン・ルソン島における通信インフラの利用および収益化に関する基本合意書を締結した。今回の合意は法的拘束力を持つ最終契約ではないが、ルソン島東西を結ぶ光ファイバー網整備や国際海底ケーブルの活用を視野に入れ、今後の商業契約に向けた協議を進める枠組みとなる。

 同社はすでに「Candle Submarine Cable System」の共同建設に参画しており、メタ、ソフトバンクなど複数の企業とともに日本、フィリピン、シンガポールを結ぶ国際通信網を構築中である。フィリピン・バレル陸揚局をアジア側の拠点と位置付け、成長著しい東南アジア市場のデジタルハブ化を推進する方針だ。さらにBCDAが開発中の「ルソン・バイパス・インフラ」(LBI)を活用することで、ルソン島東岸バレルと西岸サンフェルナンドを結ぶ迂回ルートが形成され、通信トラフィックの多様化と安定化が期待される。

 同合意により、BCDAが保有する経済特区の資産利用や収益化について協議が進む見通しである。なお、この合意による2026年3月期連結業績への影響は軽微とされるが、同社は東南アジア地域における通信基盤整備を通じて、Balerを中心とする新たな国際通信拠点の価値向上を目指す。今後、重大な事項が発生した場合には速やかに開示されるとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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