保土谷化学、韓国子会社SFCのKOSPI上場準備を開始、有機EL・半導体・バイオ材料で事業成長

■売上高172億円、青色発光材料など世界水準の技術を背景に成長

 保土谷化学工業<4112>(東証プライム)は9月30日、韓国の連結子会社SFC(SFC CO.,LTD.)が韓国取引所証券市場(KOSPI)への株式上場に向け、未来アセット証券と韓国投資証券の2社と主幹事契約を締結し、上場準備を開始すると発表した。上場は2026年内を予定するが、韓国関係当局の承認を前提としており、具体的な時期や条件は未定である。SFCは有機EL材料、バイオ材料、半導体材料の開発・製造・販売を手掛け、2024年度の売上高は172億円、最終利益35億円を計上した。従業員数は325名で、同社の株主には保土谷化学とSamsungグループが名を連ねている。

 SFCは1998年の設立以来、有機EL分野を中心に急成長してきた。特に青色発光材料で世界最高水準の技術を確立し、スマートフォン向けディスプレイで需要を拡大してきた。今後はタブレットやパソコンなど中型ディスプレイ分野への適用拡大が見込まれるほか、2025年には半導体材料事業を担うREXCELを吸収合併し、新たな事業の柱として育成中である。SFCはこれまで段階的に研究開発拠点や生産設備の増強を進めており、直近ではBioParkの稼働開始やオチャンでの新施設建設に着手している。

 上場の目的は、成長市場への需要対応に必要な資金調達の柔軟性を確保するとともに、企業認知度を高めて優秀な人材を確保し、研究開発を一層推進する点にある。保土谷化学グループは中期経営計画「SPEED25/30」の中で、SFCを中心とする有機EL事業の成長に加え、日本でのバイオ材料や半導体材料事業の展開を重視している。今後も成長分野への投資と株主還元を両立させ、資本効率を高めつつグループ全体の企業価値向上を図る方針である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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