【どう見るこの株】東名、純利益が連続過去最高更新、中期経営計画の目標業績達成へ期待高まる

■上方修正の前期業績に続く今期業績のガイダンス待ちで下値買いが交錯

 東名<4439>(東証スタンダード)は、前日1日に29円安の1031円と5営業日続落して引けた。日経平均株価が、381円安と4営業日続落して3週間ぶりの安値となり、東証スタンダード市場指数も、2.3%安と5営業日続落したことから、9月24日に株式分割の権利落ち後高値1170円をつけていた同社株にも目先の利益を確定する売り物が増勢となった。ただ1000円台下位では下値買いも交錯した。同社は、今年9月24日に目下集計中の2025年8月期業績の上方修正を発表し、純利益が連続して過去最高を更新し、次期2026年8月期業績も現在、推進中の中期経営計画から続伸が目標となっていることが手掛かりで、10月15日に予定している8月期決算発表待ちの割安株買いが交錯した。ヒストリカル的にも、2019年4月の新規株式公開(IPO)以来、同社は、2019年、2024年に株式分割を2回実施し、分割権利落ち後安値から大幅な株高を演じており、今回、8月31日を基準日に実施した3回目の株式分割でも、再現が期待されると側面支援材料視されている。

■中期経営計画では次期純利益も連続過去最高更新が目標業績

 同社の目下集計中で10月15日に発表予定の2025年3月期業績は、売り上げが期初予想より9億2500万円引き下げられたが、逆に営業利益は4億1800万円、経常利益は4億5300万円、純利益は3億3600万円それぞれ引き上げられ、売り上げ290億6700万円(前期比21.5%増)、営業利益32億8800万円(同42.0%増)、経常利益33億6200万円(同40.0%増)、純利益23億4200万円(同50.9%増)と続伸し、純利益は、連続して過去最高を更新する。電力小売りサービス「オフィスでんき119」が、夏季の電力需要期に日本卸電力取引所(JEPX)の電力取引価格が、比較的安定した水準で推移し、記録的な猛暑の影響で一顧客当たりの電力使用量が想定を上回り、継続的にコスト削減を進めたことなどが要因となった。

 次期2026年8月期の業績動向は、10月15日の決算発表時の業績ガイダンスを待たなければならないが、中期経営計画からの目標業績からも続伸が有力である。中期経営計画では、2026年8月期業績は、売り上げ348億円、営業利益36億6200万円、経常利益37億400万円、純利益25億8400万円を目標業績としている。なお株式分割は、直近の2024年8月では2801円で1対2の権利を落とし分割権利落ち後安値1301円から今年2月の2549円年高値まで96%高し、分割落ち分を9割強埋めている。

■PER13倍の割安修正で分割権利落ち後高値更新から一段高

 株価は、株式分割に2028年8月期の増配発表が続いて2017円高値まで約200円高して1916円で株式分割・配当の権利を落とした。権利落ち後は、理論価格を下回る921円まで売られたが、売られ過ぎとして権利落ち後高値1170円までリバウンドし、業績上方修正では材料出尽くしとして1000円台下位で下値を確認する動きを続けてきた。PERは13.1倍と割安であり、分割落ち後高値奪回から一段のリバウンド幅拡大に勢いを付けよう。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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