NEC、富士フイルム向けにAI需要予測ツール構築開始、実証で在庫適正化効果を確認

■デジタルカメラ部品供給の安定へ

 NEC<6701>(東証プライム)は10月2日、富士フイルムホールディングス<4901>(東証プライム)傘下の富士フイルム向けにAIを活用したデジタルカメラのアフターパーツ需要予測ツールの構築を開始したと発表した。両社は2024年12月から2025年5月までの6か月間、約1800種類の部品を対象とする実証実験を実施し、在庫管理精度が従来比で大幅に改善できることを確認した。特に「適正」在庫と評価された部品点数は従来手法の2.7倍に増加し、過剰や不足を抑制する効果が示された。富士フイルムは今後、同ツールの導入を検討する方針である。

 アフターパーツの供給は製品終了後も一定期間続けられるが、在庫過多は財務負担、在庫切れは金型再製作や代替探索に時間と費用を要するなど事業効率を下げる要因となる。今回NECが着手したツールはAI技術とデータ分析ノウハウに加え、SCMやS&OP領域の専門知見を統合した仕組みであり、需要と供給の最適化を支援する。さらにデータサイエンスに基づく予測を通じてステークホルダーとの合意形成を容易にし、戦略立案の高度化を後押しする。

■毎日放送と共同で多言語動画制作を効率化するWebアプリ開発

 またNECは同日、毎日放送と共同で、多言語動画制作を効率化するWebアプリのプロトタイプを開発したことも発表した。生成AIとAIアバターを活用し、日本語原稿を入力するだけで翻訳、字幕、動画生成まで一気通貫で実行できる仕組みである。従来1時間以上かかった工程を約10分に短縮できることを実証し、大阪・関西万博関連の動画制作でも成果を確認した。NECは今後、同アプリの機能拡充と実用化を加速させ、メディア業界の人材不足や多言語対応の課題解決に貢献する構えだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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