JX金属、インジウムリン基板の増産へ追加投資、生成AI需要に対応し供給体制を強化

■磯原工場に33億円投資、光通信向けInP基板生産を2027年度稼働へ

 JX金属<5016>(東証プライム)は10月8日、光通信分野で需要が急拡大するインジウムリン(InP)基板の生産能力をさらに強化するため、追加の設備投資を決定したと発表した。生成AIの進化に伴い、世界的にハイパースケールデータセンターの建設が進むなか、データ伝送量と消費電力の増加に対応する高速・大容量の光通信需要が高まっている。同社は7月23日に続く今回の投資を通じ、InP基板供給体制の中長期的な強化を図る。

 InPは電気信号と光信号の相互変換特性を持ち、光通信受発光素子やウェアラブル端末、産業用イメージセンサなどに用いられる高機能材料である。特に光トランシーバー向け需要が急増しており、次世代の情報通信基盤技術である光電融合(OEI)にも応用が期待されている。こうした背景を踏まえ、同社は生成AIの継続的発展を見据え、InP基板の長期的な供給強化を急ぐ判断を下した。

 追加投資の内容は、茨城県北茨城市の磯原工場で製造工程の一部を増強するもので、投資額は約33億円。7月の発表分を含めたInP基板の生産能力は2025年比で約5割増となる見込みで、2027年度の稼働を予定している。なお、2026年3月期連結業績への影響は軽微と見られており、同社は今後もInP基板の需要拡大に応じた追加投資を継続的に検討するとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■山口県周南市で始動、燃料電池の定置型電源活用で脱炭素電力供給を検証  ホンダ<7267>(東証プ…
  2. ■LINEリサーチ発表、上半期トレンド総括と最新6月期の動向  LINEヤフー<4689>(東証プ…
  3. ■休廃業・解散は減少も淘汰続く、新興市場の課題鮮明に  東京商工リサーチは7月31日、国内ドローン…
2025年10月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ピックアップ記事

  1. ■自民党人事でハト派ムード先行、逆張りで妙味狙う投資戦略も  今週の当コラムは、ハト派総裁とタカ派…
  2. ■総裁選関連株が再び脚光、政権交代期待が市場を刺激  今週の最注目銘柄は、さいか屋<8254>(東…
  3. ■金先物関連株、最高値更新で安全資産需要が強まる  日本取引所グループ<8697>は9月24日、今…
  4. ■石破首相辞任表明後も市場は急落回避、投資家の買い意欲継続  「一寸先」は、不確実で予測が難しい。…
  5. ■東証市場、主力株急落と中小型株逆行高で投資戦略二極化  証市場は9月19日に主力株の急落と中小型…
  6. どう見るこの相場
    ■プライム市場の需給悪化を警戒し、個人投資家は新興市場へ資金を逃避  「桐一葉 落ちて天下の秋を知…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る