【この一冊】サイバーエージェント創業者が語る判断力、『勝負眼』10万部突破

■ABEMA黒字化の裏側にある思考――藤田晋『勝負眼』

 文藝春秋は1月6日、勝負眼 「押し引き」を見極める思考と技術が発売約1カ月半で累計10万部を突破したと発表した。同書は、サイバーエージェント<4751>(東証プライム)創業者であり、昨年12月に同社会長を退いた藤田晋氏が、自身の経営人生を振り返りながら、意思決定の本質を言語化した一冊である。四半世紀にわたり同社を率い、インターネット広告、メディア、ゲーム事業を中核に売上高8000億円超規模へと成長させた経験が、同書の骨格を成している。

 内容は、サイバーエージェント経営の過程で直面した成長局面と撤退局面の判断を軸に展開される。とりわけ、ABEMA事業が開局から10年を経て黒字化に至るまでの試行錯誤を背景に、「攻め」だけでなく「守り」を選ぶ決断の重さが繰り返し語られる。拡大一辺倒ではなく、引く勇気を持つことが企業の持続成長につながるという視点は、実務に即した示唆に富む。

 同書は「週刊文春」連載を加筆修正したもので、藤田氏自身が毎週執筆した13万字から成る。自らの言葉でサイバーエージェントの成功と迷いを描いた文章は、経営判断の思考過程を可視化し、読者に内省を促す。急成長企業を率いた当事者の記録として、同社の歩みを知る読者にとっても、また判断を迫られる立場にあるビジネスパーソンにとっても、示唆の多い書評的価値を備えた一冊である。

■書誌情報
・書名:『勝負眼 「押し引き」を見極める思考と技術』
・著者:藤田晋
・判型:四六判並製カバー装
・定価:1870円(税込)
・発売日:2025年11月19日
・ISBN:978-4-16-392047-4
(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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