キャンバス、CBP501併用療法で欧州特許査定を取得、免疫療法との併用で保護強化

■米・日で成立済みの特許が欧州でも認定、三極保護体制が整う

 キャンバス<4575>(東証グロース)は10月9日、抗がん剤候補化合物「CBP501」の併用療法に関する特許査定を欧州特許庁から受領したと発表した。対象特許は、免疫チェックポイント阻害剤などT細胞活性化剤との併用によるがん治療法に関するもので、発明名称は「PEPTIDES AND PEPTIDOMIMETICS IN COMBINATION WITH T CELL ACTIVATING AND/OR CHECKPOINT INHIBITING AGENTS FOR CANCER TREATMENT」。同内容の特許はすでに米国および日本で成立しており、欧州での成立により三極主要市場での特許保護が整った。

 CBP501の物質特許はすでに存続期間を満了しているため、同社は白血球数で投与対象を特定する手法や今回の併用療法に関する特許を活用し、実質的な特許寿命の延長を図っている。このような戦略的な特許展開により、今後の独占的権利確保と開発品の収益化に向けた体制強化を進めている。特に同件のような周辺特許の確保は、ライセンス交渉や臨床開発の段階において競争優位性の確保につながるとみられる。

 同社は今後も、開発中の他の抗がん剤候補化合物においても同様の特許戦略を継続するとしており、知的財産の強化を通じた中長期的な企業価値の向上を見込む。今回の特許査定は当期業績への影響はないものの、欧州を含むグローバル市場での独占的な医薬品開発の基盤整備として重要な進展といえる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■AIが「空気読み」戦略立案、自律協調の新技術を発表  NTT(日本電信電話)<9432>(東証プ…
  2. 【デスクワーク時の「ちびだら飲み」がもたらす効果を検証】 ■カフェインだけじゃない、緑茶の新たな可…
  3. ■論理的推論と安全性を大幅向上  OpenAIは8月7日(現地時間)、次世代AIモデル「GPT-5…
2025年10月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ピックアップ記事

  1. ■自民党人事でハト派ムード先行、逆張りで妙味狙う投資戦略も  今週の当コラムは、ハト派総裁とタカ派…
  2. ■総裁選関連株が再び脚光、政権交代期待が市場を刺激  今週の最注目銘柄は、さいか屋<8254>(東…
  3. ■金先物関連株、最高値更新で安全資産需要が強まる  日本取引所グループ<8697>は9月24日、今…
  4. ■石破首相辞任表明後も市場は急落回避、投資家の買い意欲継続  「一寸先」は、不確実で予測が難しい。…
  5. ■東証市場、主力株急落と中小型株逆行高で投資戦略二極化  証市場は9月19日に主力株の急落と中小型…
  6. どう見るこの相場
    ■プライム市場の需給悪化を警戒し、個人投資家は新興市場へ資金を逃避  「桐一葉 落ちて天下の秋を知…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る